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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




クライヴと契約を交わし、守護霊となったミレイアにはすぐに変化が起きた

体からでていた鎖は朽ち果て、錆びながら崩れていき、湖の底へ沈んでいく

鬼神からの呪縛から解禁され、クライヴの守護霊となった証拠に
胸には赤い蝶と守護霊特有の万次の印が浮かび上がった


「―――・・・ミレイア、少し下がっていてくれ
これから監獄全てを吸収する」

「・・はい、主様」

クスッと笑いながら数歩下がるミレイア
クライヴは少し慣れない呼ばれ方に照れを感じるが
すぐに集中を切り替え、湖の中に両手を入れ、呪文を唱えた


監獄に住まう万物達に語りかけるクライヴの声に
湖の水から周辺の木々まで呼応し、風はざわめく

鬼神が管轄する世界そのものが、精神世界の中でクライヴに応えようとしていた




その反応は、鬼神にとって内側から切り裂かれるような痛みと拒絶反応になる



ヒルト、ユリエフは鬼神の様子に変化が発生し、何がおこっているのかすぐに理解できた


口から血と蝶の羽を吐きだし、目からは涙ではなく、腐った鎖の破片が大量に吐き出る

精神世界とはいえ、己の中で発生する不調に
鬼神だけがついていけなかった

「な・・なにがおきている?!」


ふらつく足取りで己の中のミレイアとつながる魔力が立たれていることに気付く鬼神


「まさか・・おれっちの中で再契約を果たし、内側から倒そうって戦法か?!」


「そういうことだ
クライヴは夢を果たすために、全てを受け止めるんだ
そのために危険な鬼神の世界まで来た・・」

ヒルトの言葉に、鬼神は砕けていく己に見向きもせず、高らかに笑った


「アッハハハハハハハ!
全てを受け止める、だって?
おもしろいことを言うじゃねぇの、インドリーム!」

「・・・。」

「全てを受け止める、ってことは監獄に存在する闇全てを己の中に入れ、服従させることを意味すんだぜぇ?
あの女含める他の連中が認めても・・・」


「!」


「おれっちは認めない――――。」



鬼神の目は黒く染まり、そのうち側から莫大な闇が暴走しながら吹き荒れ、荒れ狂った


辺りは闇で包まれ、鬼神の体も闇に溶けていく

ユリエフはすぐに光の結界をヒルトと己に包み、闇から守る
そして、光の力は鬼神の闇から拒絶され、精神世界からサルナス達がいた外の世界へ強制的に吐きだされてしまったーーーー。
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