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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




だが、ミレイアと契約を交わすということは
ミレイアが受けていた呪いも、クライヴへ移り、負荷がかかる

己の欲望のために、クライヴを裏切り、闇へ堕とした事実を知りながら
何故ここまでしようとするのか―――――

その答えだけは、確認しておきたかった


「闇と向き追うことはとても素晴らしいと思うわ、クライヴ
けど、どうして私まで助けようというの?
私は貴方を裏切り、監獄にきても鬼神の言う通りにするだけで
何もしてやれなかったのよ。」

「・・・そうだな、ミレイアが過去にした事実を告げられた時は、言葉を失った。」
「だったらっ・・!」

「だけど、最後に本当の事を言ってくれた」
「!」

「愛している、と・・。
あの言葉に、嘘偽りはなかったと感じたんだ」
「あ・・・」

ミレイアは目を見開き、あの瞬間のことを思い出す

鬼神の精神世界へインドリームと友に来たクライヴへ告げた
最後の言葉を―――――

「あの言葉で俺は救われた。
誰にも言われたこともなく、生涯言われることも、言うこともないと思っていたものだった・・」
「・・・」

「もし、俺の言葉に応えてくれるなら、俺は本当に報われたことになる」


ミレイアの左手を右手ですくうように触れ、口元に近づけ
そのまま軽く口づけをし
「愛している、ミレイア」
そう、一言つぶやいた

「・・クライヴッ・・!」

感動と喜びのあまり、涙をうかべるミレイア
顔は赤くにあり、張り裂けそうな思いを心にひめ、静かに頷き
クライヴの右手を己の胸の心臓部分に当て、魔力を流し、契約を交わす為の誓いを始め、クライヴは先に呪文を唱えた

「――――我に応えよ、さすれば汝の鬼神からの呪縛を解き、尊き守護霊として祀られん」

「我、ミレイアは赤き蝶の名の元に応えます。
呪われし蝶と全ての魔力を、闇族第5王子クライヴ・ベネディクト様へ捧げ、命尽きるその日まで、守り、力となることを誓います!」

ミレイアの胸から赤い蝶の形をした魔力が浮き出、クライヴの心臓へ吸い込まれるように消えていく

ミレイアの莫大な魔力がクライヴの中に引き継がれる瞬間
風が吹き荒れ、湖の水は波を作るように輪が広がり
水底に沈んでいた蝶も全てクライヴの中へ入っていった


「―――――ふぅ・・。」

契約を交わし、ミレイアの魔力をすべて引き継だクライヴは
深く息を吐いた





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