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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




ミレイアの問いに、クライヴは動じず
冷静に答えた

「俺が全ての闇と向き合えばいい」

「え?」

「俺は闇の神の力を半分引き継いでいる
そして、この世界に闇を撒き散らしたのは他でもない、俺だった」

「それはっ・・闇の神が裏で貴方に無理矢理させたことよ!
貴方の責任なんかじゃない」


クライヴの手を握りながら
うつむき、話すミレイア

その様子を黙ってみていたクライヴ
静かに開けた口から放たれる言葉からは
決意を固めた意志を感じた


「だとしても、俺は俺がしたことを受け止め、
俺が何のために存在しているのか、確認しなければならない
そして、そうすればアンタも闇の騎士も救えるし、監獄という異世界の仕組みから作り返せるんだ」

「ーーーそれはつまり・・」



察しがついたミレイア

クライヴは監獄ごと己に吸収し、己の固有結界として使用しようとしている


固有結界とは、自身の象徴的なものを映し出した異次元の世界

固有結界を持てるのは闇族の特徴であり、環境を傷つけず、生命だけに傷を与える際に固有結界に閉じ込め
闇に落としていく戦法がある

通常、固有結界という能力は成長する過程で身につくものである

だが、クライヴは監獄という異世界全てを己の中に閉じ込め
無理矢理、固有結界というものに変えようとしている
そうすれば監獄はクライヴだけのものとなり
鬼神の管轄を超え、作られていた規律は消え
クライヴが監獄では最高責任者として君臨することになる


「監獄ごと俺の固有結界にすると
その中にいた者全員が俺の使い魔と自動的になる
だが、個別で契約を交わせば俺の管轄の元、零体となって自由に世界を見て回れる」

クライヴはミレイアの手を両手で握り、話し続けた


「だから、俺と契約を交わしてくれ、ミレイア
全てを受け止めるということは、この監獄にいる貴方から認められる存在にならなければ始まらない」

「・・私と・・契約を・・?」

「ああ、俺の守護霊として契約を交わし、世界各地を回って俺の闇につながる欠片を探してほしい」
「!」
「勿論、契約後は霊体として自由に生きれるが
もし・・天族などに狙われたとわかった場合は
俺の中に戻ってもらうことはある。」
「・・・クライヴ・・・。」

ミレイアはクライヴの誘いに応じるべきか悩んでいた
これに応えれば、晴れて己は自由になる


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