第2章 風を司る者
その夜、宿の屋上で夜空を見上げるヒルト
無数に散らばる星々を見つめながら、右手を翳す
「眠れないのですか?」
「!」
ヒルトに優しく声をかけたのは
マントで身を包んだユリエフだった
「隣、よろしいでしょうか?」
「ああ、もちろん」
ヒルトの隣に座るユリエフは
同じく星空を見上げ、話した
「私は、インドリームになれるとは思っていませんでした」
「え?」
「生まれた時から闇を持たない私は、聖人なのです。
聖人の役目は天族の中でも特に核となり、世界を均衡を保ちながら、監視する事。
そんな私が、監視から救う側になるとは、今でも信じれないのです。」
「そっか、でも自信持っていいと思うぜ!
こんな俺が言うのもなんだけど、ユリエフはインドリームとしての素質があると思うし!」
「そう・・ですか?」