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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




「くっ⁈」

両手で顔を隠し、竜巻に覆われていくミレイア


クライヴは反射的にミレイアの元へ向かおうと
足に力を入れるが、魔力が安定せず
立ち上がることさえもうまくいかなかった


「クライヴ」

クライヴの前に手を差し出すヒルト

「・・ヒルト」

「一緒にミレイアさんを助けて、鬼神を倒しに行くぞ」
「ーーー・・・。」

明るく迷いのない言葉でクライヴを立ちがらせるヒルト
その様子にクライヴの心の中で何かが変わった気がした

僅かな希望を取り戻した目をしたクライヴの頬から
蝶の刺青が引いて行く

「あぁ、行こう」


目を閉じ、次に目を開けたクライヴの表情は闇に堕ちたものではなく
光を宿したものだった

ヒルトとユリエフは目を合わせ
安心するように微笑む

「これからミレイアさんの奥に潜む鬼神の精神世界にいき、鬼神を倒し、ミレイアさんを救う
その為には俺とユリエフ、クライヴの魔力をあの風の中に流し込む必要がある
・・鬼神の中はきっと予想もできないほどの闇と狂気で満ちてると思う」

「覚悟は出来ています」

「あぁ、もう惑わされることはない」

ヒルトの話に、ユリエフとクライヴの心は変わらなかった


二人の決意を感じ、ヒルトも決心する

何があっても、救い、守るべき存在は守り通すとーーーー


「俺に続いてあの風の中に入って来てほしい
竜巻に触れても風の風圧は感じない
そのかわり、体から魔力が抜けていく感覚があると思う
それでも・・何があっても自分を忘れず
夢を見失だちゃダメだ。
・・もし、心が壊れた時は
二度と現実世界に戻れなくなる」


ユリエフ、クライヴは深く頷き
ヒルトは一歩、竜巻の中へ近づくと
一気に走り出し、竜巻の中に飛び込んだ

確かに竜巻の中に飛び込むヒルトは目で捉えれたが
入る直前、体が透けていた
体は竜巻より少し離れた場所で倒れている

「なるほど、あの竜巻に近づいた瞬間から
体から心だけが抜けおち、魔力をもって中に入るということか」

「そうですね
やっぱり、こんか力が使えるなんてヒルト君は凄いですね」
「あぁ・・少し・・見直したな」

ユリエフ、クライヴも同時に踏み込み
ヒルトの後を追い、竜巻の中へ飛び込み
鬼神の精神世界へ侵入していった



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