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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士



だが、今となっては鬼神を消滅させ、ミレイアを呪いから解き、同時に己の存在自体も消すことができれば、どれだけ楽か

過去に行った殺戮や苦しみは、忘れておけばよかったのかもしれない
インドリームと共に旅をし、協力はできても、いつかまた闇の神の操り人形となり、己の手で殺してまう可能性がある

すでに、ミレイアを救うためなら、闇の力を使用し、かつての部下であったアークを傷つけることに
なんの躊躇もなかったからだ

体は勝手に動き、口からは心にもない言葉が簡単にでてくる
アークの右目をえぐり取り、魔力を奪った瞬間
どれほど心の中で叫んでいたか――――――
その声は誰にも聞き届けられることなく
本心を理解されることもない

インドリームの力を使用するとどれほど危険な目にあうか
クライヴは分かっていた

だからこそ、ヒルトとユリエフと再会したとき
希望には感じなかった
能力が使えないインドリームは、ただの子供だ

まさか己の危険を顧みることなく、この監獄でインドリームとして力を解放することはない

そう、決めつけていた



頭の中で意思がかき消されないよう、必死に考え続けていたクライヴ

そして、ミレイアがいた湖までたどり着く



その光景は、初めて彼女と出会った場所と同じ光景であり
懐かしさを感じさせられた


背中から透けた赤い蝶の羽を生やし、悲しそうな表情をしたミレイアがクライヴを見つめ、湖の上で浮いてるように立っていた


「・・・クライヴ・・・」

刹那の声
とても再会できたことを喜ぶものではない

「ミレイア・・」


お互いが見つめ合う瞬間
時が止まったように、周囲の音は聞こえなかった

クライヴは再び見ることができたその姿に
ほんの少し、安心感を感じていた


だが、ミレイアは快く受け入れようとしなかった


「どうして、来たの」

「え」

「私は何度も忠告したはずよ・・ここに来てはダメ、と。」
「・・・。」

「それでも来てしまった・・もう、手遅れよ
鬼神は貴方を壊そうともうそこまで来てる」
「・・・もう、過去の俺とは違う
鬼神を消滅させる術も、あんたを自由にさせる術も、知り、力をつけてここに来た」
「・・・。」

クライヴの言葉は、ミレイアにとって希望であるはずだった

だが、暗く悲しい表情は更に深くなっていく

「そうね・・ある意味貴方は変わったわ」
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