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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士



クライヴとサルナスが静かに話す中
意識を失い、倒れるアークの下に駆けつけるラルザは
自らの魔力をアークに流し込み、自己治癒力を高めさせる


「・・誓いを破ったとはいえ、殺しはしてない
俺にはアークの持つ魔力だけが必要だったからな」

「っ・・
主よ、これから助けにいかれる方は罠です
鬼神が利用し、見せている幻覚といっても等しい」
「それがなんだ」
「!」

「ミレイアが幻覚でも構わない
それでも、俺にはあの人が必要なんだ・・
だから、そこへ向かう俺を止めるというなら・・・」


クライヴの手にあった闇の雷は大きく貯まり、爆発寸前の塊になる

「お前達もアークと同じ末路を辿るぞ」

赤く呪われた目でサルナスとラルザを睨み、雷を落とそうとするクライヴ
だが、雷はサルナスとラルザに当たることなく
大剣を持って現れたヒルトによって防がれた

「⁈」

微かな風を纏わせた大剣は無傷であるが
ヒルトの手足は通電し、痺れを感じている
それでもサルナスの前から逃げようとせず、剣を構え直し
クライヴを見つめていた

「ヒルト・・」

「よっ!
元気そうでよかったよ、クライヴ」

現状から予想もしないヒルトの陽気な声に
その場にいたクライヴ以外、呆気にとられる

「あの傷からここまで元気になるなんて、流石クライヴだな」
「・・・」

「闇の騎士からある程度の話は聞いたけど
この世界には見えているものが全てじゃないんだな
俺達がいた現実世界では無いものばかりだし、闇の騎士がいなければきっと
鬼達に殺されてたんだろうって思う」

「・・だからなんだ
ヒルト、そこを退け。」

イラつきを見せながら話すクライヴは
敵意を露わにしながらヒルトを睨み続ける

それでもヒルトの姿勢は揺るがず、冷静に話した

「ミレイアさんと会った。
けどあれは闇の騎士とは違った存在だと俺もわかる」
「・・・」
「クライヴ、今のお前が本当に正しい判断をしてるって言えるのか?
ミレイアさんを救う為だけに力をふるうことが、お前が本当にしたかったことなのか?」


「黙れ!」


声を荒げ、クライヴの言葉は空間に響き渡った

「お前に何がわかるっ!
インドリームとして選ばれ、希望をもたらすお前に
生まれた時から呪われ、絶望と殺戮しかない俺の何を理解して言える!?」

「理解・・か
そんなの、俺にはできない」


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