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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士



「サルナスさん!」


ほんの少し後から駆け付けたヒルトは
サルナスが目を向ける方へ同じく見つめ、言葉を失う



黒い炎が燃え盛る中から、血まみれのアークの襟元を掴み
引きづりながら姿を現したのは

返り血で真っ赤に染まったクライヴだった―――――



「ク・・ライヴ?」


左手で引きづっていたアークは一切動かず
その右目からは大量の血を流し
前髪の隙間からかすかに見えるそこには、あるはずのものが綺麗にえぐり取られていた

右手で真っ赤に染まった小さなものを口に入れ、なんの躊躇もなく舌や歯を動かすクライヴ

そこから聞こえる音は、柔らかく、新鮮な肉を食ってる音


「主よ・・・アークの・・目を・・喰ったのですか・・・?!」
「?!」

サルナスの言葉に、ヒルトは目を見開き、絶句した

「―――――。」

黙秘をするように何も語らず、ただ黙ってサルナスやヒルトを見ているクライヴ
その目は赤く、蝶の刺青が左頬に浮かび
目の下には黒いクマができている


そのままアークを持ち上げ、軽々しく吹き飛ばし
サルナスは必死に受け止めようと駆けつけ、穴の中へ入った


「アーク!!」

死体のように動かないアークに、サルナスは必死に声をかけるが
反応がなく、右目はやはりなく、呪文を唱える指先は切られていた

「っ・・!」

歯を噛み締め、サルナスは何も語らず、攻撃することもなく
ただこちらを見つめているクライヴへ目をむけた

「何故です!我が主!
アークの目を喰い、魔力を奪う必要はなかったはずです!
そこまでして魔力が必要であるなら・・・私が提供していました!」

「・・・。」

「導入の儀式を終え、記憶を取り戻されたのであれば、貴方様のかつての夢は―――」
「かつての夢は・・ミレイアを守り、助けることだ」
「?!」

クライヴは低く
憎しみに満ちた表情と声で答えた

「お前たちが思っている以上に・・・俺にとってミレイアは大切な人だ
その人が今、監獄で囚われていることはわかっている。」
「っ・・・」
「それを、アークは嘘を吐き、ここにミレイアはいないと言った」
「?!」

クライヴは右手に闇の雷を溜め、話し続ける

「俺はお前達と契約した際、嘘を吐くことを許しはしなかった」
「・・はい・・」
「だが、監獄に落ちてからお前たちも、俺も変わった・・」


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