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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士





黒く染まる森の中

サルナスを先頭に歩き、クライヴの元へ向かっていたヒルト、ユリエフ

浮かぶ青白い魂はまるで灯変わりとなるほど
森の中では輝き、一際目立つ

森から少し道をそれた所には壊れた木材や錆た剣が地面に突き刺さり、焚き火程度の炎が揺らめいている

「サルナスさん、この監獄に他にも人が?」

燃えている場所を見ながら、ヒルトは問う

「まさか。
あれは監獄に落とされた者の未練と記憶が具現化しただけだ」
「未練と記憶が?」
「ここには闇族とその眷属の罪人や、闇に強制的に堕とされた者、死んだ者、呪いを受けた者が主に集まる
それゆえ、生前の記憶を持ったまま、成仏されることなく永遠に彷徨い、魂のエネルギーと闇の瘴気が結びつき、死ぬ直前の光景を具現化させることができる」
「じゃあ、あの火と崩れた物は・・」
「どこかの誰かが彷徨い続けた結果、死ぬ直前の記憶を具現化させ、そこに居続けているということになる」

サルナスの説明にヒルトは目線を逸らし、偶に森を飛んでいる赤い蝶を見つけた


「あの人、ミレイアさんはクライヴの血縁者だと言ってたけど、本当なのか?」

ミレイアの話題になったとき、サルナスは歩く事をやめ、ヒルトへ振り向き、静かに答える

「ーーー真実だ。
だからこそ、我が主は暗黒戦争が始まっても、彼女だけは守ろうとされていた
唯一の血縁者であり、闇の神によって生み出された理解者ではあるが、我が主とはまた違った造り方をされている」
「違った造り方?」

「・・彼女の寿命をあえて短くして、闇の神は造られた
全ては我が主を闇に堕とし、心を壊すための道具として用意しただけだった」
「そんなっ!」

「我々も信じたくはなかった
だが、監獄に来て多くの鬼の魂を観てたどり着いた真実。
そして、彼女は既に暗黒戦争で亡くなっている」
「⁈
じゃあ、俺達が接触したミレイアさんは?」

サルナスは近くで燃えている焚き火を見つめながら
答えようとはしなかった

その視線と、先の未練が具現化するという話

ヒルトは疑ったが、答えはもう出されていた


「俺達が出会ったミレイアさんも・・未練が具現化したもの?」

「そういうことだ」

再び歩き出すサルナス
追いかけるように近づき、サルナスへ更に質問をかけるヒルト

「だったら、あの赤い蝶も全て
ミレイアさんの未練なのか?」


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