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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士


勢いよく抜かれる槍と根

アークの脳から魔力を吸い取っていた元凶がなくなったことで
顔色は戻り、硬直していた体も自然になっていく
目を閉じ、意識を失うアークを観たクライヴは槍を塔の上から投げ捨て、シャルゼを睨む

「・・なるほど、闇の騎士といい、お前といい
私に刃向うことを決めたようだな」
「父上・・闇の騎士は関係ありません
俺に罰を与えるということなら謹んでうけます」

アークの槍を引き抜いたことで、クライヴにかけられていた術は消え、クライヴは決意した表情で話した
次いでサルナス、ラルザも同じ姿勢でクライヴの背後でいつでも戦えるように準備していた


「フッ・・茶番だな」
「!」

鼻で笑うシャルゼは右手を前に差し出し赤く光りながら鼓動するモノを映し出す
手のひらに浮かばせるそれは半透明であるが、たしかに心臓であり
それが二つ、シャルゼの手中にある

それは相手の心臓をその場でつぶすことができる禁術
人が扱えば術の副作用で、心臓を掴んでいた腕は即座に吹き飛び
数多の呪いが降り注ぎ、それは子々孫々にまで及ぶとされている
だが、闇の神が行えば副作用や呪いなど無意味
クライヴを介して行った儀式や、実験で得た禁術
クライヴでは扱うことができなかった禁術でもある
それを今、シャルゼは発動させようとしている

「クソッ!
闇よ、風よ、舞え!
ゲート!」

クライヴはシャルゼがつかんでいた心臓がだれのものか
すぐに理解し、対象の二人を闇の風で突き飛ばし
背後に用意させた闇のゲートへ送り込ませ、禁術が発動する前に逃がそうとした

「遅い」

だが、シャルゼの術は発動し、ゲートの中へ入る前に
サルナスとラルザは心臓を握りつぶされ、即座に吐血した

「ぐはっ!」
「あぁっ・・」

「サルナス!
ラルザ!」

口だけではなく、鼻、目からも血を流し、その場に倒れるサルナスとラルザ
駆けつけるクライヴ
闇の騎士全員に自己再生治癒力は備えられており
多少の傷であればすぐに再生するが、心臓となれば話は別であった

力は抜け落ち、クライヴが声をかけても聴覚も低下し、脳にまで内容が届かない

充血した目は確実にシャルゼへ向ける敵意
闇の騎士にとって、使えるべき主はクライヴ
その父となる存在がどれほど強力であると、クライヴに敵対するのであれば武器をとる



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