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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士



「黙れ」

シャルゼが一言命令した瞬間
クライヴは声を発することができず、息さえも詰まるような感覚になる

闇の神だけが使用できる術
クライヴの体の全ての権限を行使し、心さえも闇に落とすことができる呪い

クライヴはシャルゼが体の自由を奪った次に
命令することが何なのか見当がついていた
いつも決まってそうだ
体の次は心だとーーーー
今から闇に溺れていく自分がある程度予想できた
そのせいで微かに両手が震え
ミレイアを助けるために駆けつけた足さえも、今では使い物にならない


「ーーー私はお前の心を無理矢理落とすようなことはしない」
「⁈」
「お前自身の意志で、その心を崩していくのだ」

シャルゼはクライヴが考えていることさえ読み取り
声を発せないクライヴに一方的に語りかける

「さて、まずは一つ目の捧げ物がくるころか」



「我が主人よ!」

クライヴの背後にゲートを抜けて駆けつけて来たのは
サルナス、ラルザ、アークだった
「っ!」

声を出すことが許されない状況で
クライヴは闇の騎士へ視線をむけ
絶望的な表情を見せることしかできなかった

闇の騎士は目前に広がる状況をすぐに理解した
クライヴが自由を奪われ
ミレイアは人質になり
闇の神の命令一つで全ての状況が変わるのだと

「闇の騎士共よ」
「!
はい、闇の神、シャルゼ様」

震える声を隠しながら答えるサルナス

「貴様らの中で魔術師がいたな」

「・・私でございます、闇の神よ
アークと申します」
「なるほど
お前の魔力はと知恵は膨大であるが故、使えるな」

「使える・・とは?」

シャルゼの言葉にアークは聞き返す
だが、シャルゼは答えることなく指を鳴らし
目視できない闇の武器の槍をアークの頭部へ突き刺すよう、指令した

「っ!」

アークに襲いかかる武器が見えているのはシャルゼとクライヴのみ
何が起こるのか気づいていないアークは
クライヴの表情だけでは読み取ることができなかった

声を発することを禁じられ、口は動かせても何もできない
唯一できるのは、アークの元へ走り、武器を止めるために手を前へ出し、闇の力で武器を防ぐこと

だが、それも間に合わず、勢いよく襲いかかる槍は
目視できない状態のまま、額を貫いた


「!?」

脳に強烈な痛みを感じ、そのまま後ろへたおれるアーク

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