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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士



「ーーー待たせたな、アーク」

「とんでもございません、我が主人よ
天族の心も壊れ始めたところです」
「・・・そうか」


息を荒くさせ、遠のく意識の中
天族のボヤけた視界に、ナイフを持ったクライヴが近づいてくる

「さっきの噂の件だが、お前は知っている事を全て俺に話せ」
「っ・・・
貴様ら闇族が・・火族を使役し、暗躍させ
情報を裏で牛耳っているのと同じように
天族側でも裏で情報収集を行い、早急にこの戦争を終わらせようとしている」

「・・それで?」
「天族と接触してきた者は数少なく、その中でも龍の刺青を右目にいれた青年が有益な情報を流したのだ
我々のような、ただの軍隊に詳細は伝えられていないが
その青年を見つけた時は、如何なる状況下でも攻撃することは・・許されていない」

「右目に龍の刺青・・
たしか龍族の王家にそんな奴がいたな」

クライヴの一言に、アークは頷き、答える

「確かにいましたね
確か、名はトレイタス・ラゾーラ
第10代目、龍王の息子だとか。」
「・・・。」

情報を流した存在を確かめる必要があったが
天族の攻撃が強くなり、闇族が劣勢になりつつある現状
一番優先順位を考えるクライヴ


「はっ・・ははは!
もうおしまいだな」

狂ったように舌を巻きながら話す天族

「お前らは内側から崩れていく!
汚れた闇族よ!
貴様らがどう足掻こうが、天族の力には勝てず、情報網を崩すことはできない」

「・・アーク、これにもう用はない」
「畏まりました、我が主人」


クライヴは天族の胸にナイフを刺し
魔術印を浮かばせる

ナイフは天族の胸の奥にまで刺さっているが
痛みは感じず、天族はゆっくりと己の胸へ目をむける
「なっ・・え?」
浮かび上がる印は明らかに禁術のものであり
それは魂と記憶を吸収するもの
一度術が発動すれば後戻りはできず、術をかけられた者は灰となって消え、輪廻転生も行えず
残る未練は闇族が保有する監獄へ誘われる

天族は術を発動させたクライヴに命乞いをしようとするが
クライヴは闇を全身に被わせ、姿を消した

その場に残ったのは呪文を唱え、こちらに大杖を向けているアークだけだった

「こ、この術を行えば使用者の貴様の身も呪われるぞ!」
「生憎、この身は私のものではなく、我が主人がそうしろと命令なされた以上、行うべきですからね」

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