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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士



「皮膚と爪を剥がしながら、治癒魔法を続けろ
治癒魔法は今の効力の半分だけに抑えろ」
「畏まりました」

「え・・おい・・何を言っている?」

天族は希望から絶望へ変わっていく環境に
戸惑っていく
それでもクライヴは気にすることなく、ラルザへ続けて命令した

「ラルザ、ナイフをよこせ」
「はい、クライヴ様
ここに・・。」
一歩引いていた場所から見守っていたラルザは
手のひらから闇を出現させ、ナイフを作り、クライヴの手へ差し出した
慣れた手つきでナイフを回転させながら持ち直すクライヴは
治癒を掛けられている天族にゆっくり近づく

「ま・・まってくれ・・これはどういう」
「あなたに発言権はまだ与えられていませんよ
無礼な口ですね」
アークは右手の人差し指と中指を立て、横にふり、呪文を瞬時に唱えた
その瞬間、天族の口元の皮膚は左右に剥がされ
肉と骨がむき出しになる

「ひぁ・・ああがあぁぁ!?」
「嗚呼、なんと無様な声でしょう」

治癒魔法を即座にかけながら
修復した箇所の皮膚を再び剥がすアーク
何度も同じことを繰り返し、気が狂うような拷問を進めるアーク

「サルナス」
「はっ!
ここにおります」

「お前はこの周囲に結界を張り、天族の増援が来ないか警戒しておけ」
「畏まりました
・・一つだけ、よろしいでしょうか、我が主よ」
「なんだ?」
「なぜ、天族に希望をもたせる言い方をわざわざされたのでしょうか?
拷問し、必要な情報を聞きだすためなら、すぐに取り掛かってもよろしかったはずです」

サルナスの問いに、クライヴは躊躇なく答えた

「希望を持たせ、未来があると感じた瞬間、絶望を与える方がより効果的な情報が手に入りやすい。
そして窮地にたたされた心ある者は、己の保身のため
冷静さを失い、必要以上の情報を口から放つことだってある」
「・・それでわざとあのようなことを・・。」

「そうだ、天族は嘘を語らない
なら、知っている事全てを吐いてもらう」
「なるほど。
全てを見据えたうえでのご判断、お見事です
では、私はご命令通り結界を張ってまいります
必要とあれば、何なりとお申し付けください」
「ああ、だが外は気をつけろ
天族や姿を隠すことができ風族の攻撃を
受ける可能性もふまえておけ」
「御意。」

クライヴの前から一瞬で姿を消すサルナス
そして拷問されている天族へ再び目線を向ける
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