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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士




クライヴの儀式は最終段階へ進んでいた――――――



見つめていた己の過去の中
僅かに与えられた平穏な日々
ミレイアと闇の騎士と過ごす時間
クライヴに確かな意思を持たせたきっかけの存在達

だが、クライヴは感じていた
こんな日々は夢だと。



闇族の侵略によって各種族は結託し、対抗する姿勢をとった

対して闇族も龍族、火族、そのほか眷属を連れ
世界中へ宣戦布告をした


結果、クライヴと闇の騎士は戦の最前線に立たされ
これまでとはくらべものにならないほどの血を被り、闇を広げていった

ミレイアはクライヴの結界によって安全な場所へ隔離され
他種族はその場所を気付くことなく
火の粉が届くこともなかった





「はぁ・・はぁ・・はぁ・・!」

片腕が無残にも切断され、赤い血を流しながら
息を切らして燃える街の中を走る一人の男

頭部には白い羽を生やし、脚だけに銀色の鎧を装着し
背中には黒いナイフが刺さっている

全身傷だらけの姿からは瀕死の状態とすぐにわかるだろう

そのすぐ背後から、黒い影が風のように追いかけ
鎖を男に放つ

「がはっ!」


鎖は男の首に巻き付けられ、そのまま
建物の柱に吊り上げられ、首吊り状態になり、生き苦しそうにもがく

苦しみもがく男の目の前に現れたのは紫色の短髪に漆黒のマントをかぶり、闇を被った少年だった
宙に浮くその姿を見た男は更に抵抗を続け
必死にもがき苦しむ

「・・・お前達天族がこの場所を奇襲したということは
闇族の拠点がこの町である、という情報がもれているということになる
答えろ、お前達に情報を提供したのは誰だ」

赤く光らせる瞳を向ける少年
その表情は男を忌み嫌い、蛆虫をみるようなものだった

「し・・しらない・・!
俺たちは・・上の・・指示で・・動いた・・だけだ!」

鎖で宙づりの男はかすれた声で答える
口から垂れるのは涎ではなく、真実しか語れない話と
肉体が限界を訴える血だった

「そうか。
天族はその特徴から、嘘はつけない
なら、お前は本当に何も知らず闇族の領域内の拠点へ奇襲し、同族を殺したことになるな」

少年はつぶやくような小声で話し
指を鳴らした

その瞬間、男の首を縛る鎖はとどめをさすように
強く縛り上げ、天族の首を時間をかけて跳ねた

地に降りた少年は転がる天族の体を蹴り飛ばし
イラつきを感じていた

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