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IN DREAM2

第2章 風を司る者


エアは力を振り絞り、ユリエフに直接襲いかかろうとした

だが、ヒルトの大剣が先にエアの体を切り裂いた




「あっ・・ぐっ」





「お前にどんな思いがあったとしても、それは通すことができない悪夢に繋がる。
エア、お前はもう悪夢を抱えていかなくていい。」



赤黒い血を流し、倒れこむエアに
ヒルトはしゃがみ込みながら話しかけた



「しった・・・かの・・ように・・話す、な」


「確かにな。
俺じゃあ魔族の気持ちも感覚も全て理解できるわけじゃない
けど、あいつをずっと見てると伝わるんだ
闇に心が飲まれると、悪夢のように毎日が辛い事が。」

「ーーーーー」

「ヒルト君・・?」

黙り込むエア

ヒルトの話に心配するユリエフ



「だからさ、エア。
お前が人間だった頃の夢は俺が叶えるよ!
魔族としてから生まれた夢は、お前の夢じゃないからさ、俺には叶えれないけどな」


「僕の・・人の頃の・・ゆ、め?」





虚ろな目をしながらかつて人として旅をし、
親である商人と微笑む記憶が蘇るエア


「僕の夢は・・もっと・・楽しく・・世界を
旅・・したかったーーーーー。」


意識が遠のくエア

微かに動く口で呟く、かつての夢

体から魔力が消えていく感覚に、自分の死を悟る

死への恐怖がエアの手を震わせ
涙を浮かべる


そんなエアの手を、ヒルトは強く握った
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