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IN DREAM2

第2章 風を司る者


ドゴッ

「?!」

「ヒルト君!!」

話し終える前に、ヒルトの腹部から鈍い音が鳴り響き
そのまま後方の壁に叩き付けられ、倒れるヒルト

ヒルトを叩きつけたものは

赤黒く、血管が浮き上がり、奇妙な脈をうち、
長く、器用に動きながらエアの中に収まっていく
「エア君、貴方は魔族なのですね」
「気付くの遅いよ、おねいさん。
この様子じゃあ、インドリームも大した事なさそうだね」

「人を装い、自分の住処に追い込み、奇襲をかけるつもりだったのですね。」

「その通り、君達さえいなければ
この世界は闇で覆える!
あの方も大喜びになるよ!
だから、僕はここで君達を殺す!」
エアは赤い触手を複数作り出し、一気にユリエフにむけて遅いかかる
だか目にも留まらぬ速さで触手は断ち切られ
赤黒い血が吹き出る

「っ!」

こびりついた大剣の血を振り払い
ユリエフの前に立つヒルト
「ここで、お前は止めるよ、エア。
お前の好きにはさせれない」

「ハッ、僕を止める事ができるわけ?
あんな簡単に騙されたお前が?」
ヒルトを馬鹿にしながら話すエアは
切られた触手を一気に再生し、更に魔力を増幅していく

「僕はやっとここまで上り詰めたんだ!
そこらへんにウロつく下級魔族じゃない
意志をもち、あの方の為に自らを捧げるんだ!」

「それでも、お前がしようとしてる事は
世界を壊す事に繋がる」
「私達は、それだけはさせれません」
風に覆われた大剣を構えるヒルト
光で構成された魔導弓を構えるユリエフ
「やってみろよ、インドリーム!」
エアは触手を更に増やし、四方八方から攻撃をしかける
「風よ、我らを守れ!」
ヒルトとユリエフの周囲に風の防護壁を作り、エアからの攻撃を防ぐ
「ちっ」
「どこを見てるのですか」

「!?」

エアが振り向くと背後にユリエフが魔導弓を構えていた

「いつのまに!?」
ユリエフから放たれる光の矢は
勢い良くエアの右腕を貫く


皮膚が焼け、腐食する匂いが洞窟の中に広がる
「がっあああああっ!!」

「これって・・」

「私の光は魔族の肉体には毒なのです。
闇の肉体になった彼等は通常の攻撃では傷口を治す自己再生能力というものがありますが、インドリームの力と光属性には無意味です。
むしろ、触れれば焼け焦げ、二度と傷は治りません。」

「くっ・・そ!
こんなところで、死んでたまるかぁ!」
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