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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士



ヒルトは黒騎士の外見で相手の種族を判別すると
すぐに距離をとり、大剣を構え直す

「――――どうした、インドリーム
俺が闇族だということだけで
そこまで身構えるのか」

ヒルトが身構える理由
それは先にあっていた闇の神、シャルゼが闇族ということを知っていたからだ
黒騎士から放たれる殺気や魔力が
クライヴと似ている雰囲気をした訳も、全て繋がった
黒騎士は闇族の中でもクライヴと闇の神、どちらかに近い存在なのだと

そしてシャルゼの強力な力を思い出し
僅かに手が震えるヒルト

相手が答えるか保証はないが、それでも確認しておきたかった

「あんたは、クライヴの仲間なのか?」

あと一歩でヒルトに攻撃を仕掛けようとしていた黒騎士は
クライヴ、という名で動きを止める

「―――なぜ、貴様が我が主の名を?」
「我が主?
クライヴは俺たちの大切な友達だ」
「友・・だと?」

先までより会話が続くことにヒルトは希望を感じ
大剣を握る力を弱め、話すことへ集中した

「クライヴが闇の神の封印を解くために利用され、ここへ落とされた。
だから俺たちは助けにきたんだ」
「・・・・。」

黒騎士はヒルトの話を聞きながら、クライヴが言っていた友の事を思い出していた

(なるほど・・クライヴ様が話されていた能力者の友とは
インドリームのことだったか)

心の中でつぶやく黒騎士は、今はインドリームと敵対することは
クライヴに対して侮辱に値すると判断し、武器を納めた

「我が名は闇の騎士、サルナス
貴様の名を聞こう、インドリーム」
「・・風を司る者、ヒルト・クローズだ」
「ヒルト・クローズ
その名、覚えておこう」
「・・・ああ」

サルナスが完全に殺意を失くし、ヒルトへ向ける友好的な話し方に
ヒルト自身も武器を下ろす
だが、ユリエフが森の中へ連れ去られたことで集中できず
サルナスに話そうと思っていた内容が
すぐに言い出せなかった

そんなヒルトの様子にサルナスは感じ取り
静かにヒルトを見つめながらつぶやいた

「ラルザ、その天族を解放し、ヒルト・クローズの元へ返してやれ」
「え」

サルナスが語り終えた瞬間
その背後から鎖で縛られたユリエフがヒルトへ目掛けて突き飛ばされた
「ユリエフ!」
両手でユリエフを抱え、鎖を大剣で砕く
「大丈夫か?!」
「ヒルト君・・私は大丈夫です・・それより彼らは一体・・」
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