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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士


「・・インドリームが?
把握している情報は?」
「南の方角から人の男と、天族の女で合計二人
男は推定人の歳で18〜20代
女も外見では同じ程の年齢だが、天族だがらね・・人の歳より遥か上でしょう
両方とも赤い蝶に導かれているわ」
「インドリームの能力の情報は?
使用していないのか?」
「特殊なネックレスを首からかけているせいか
インドリームとしての能力は使っていないわね」
「・・了解した
周辺を警戒していたアークを呼び戻し、クライヴ様の警護に当たれと伝えろ
俺とラルザで迎撃するぞ」
「わかったわ」

ラルザは煙のように姿を消し去り
サルナスの言う通りに行動へ移した

サルナスはクライヴの周辺を闇の結界で包み
外側の音や魔力や視界などを一切遮断し
その場を離れた




赤い蝶に導かれながら歩くヒルト
その後ろから口元を抑えながら歩くとユリエフ
ヒルトはユリエフの右手をしっかり握り、離れないようにしている
「・・・」
ユリエフはヒルトの優しさに心が惹かれながら
それでも甘えはしなかった
「ありがとうございます、ヒルト君
もう一人で歩けます」
「何言ってるんだよ、ユリエフ
顔色悪いぞ?」
「それでも、いつまでも手を引っ張って歩いてるだけではいけません
それより、さっきは何故ミレイアさんにあんな事をきいたのですか?」
ユリエフには理解できなかった
何故ヒルトはミレイアを疑い、無理矢理逃げるようにその場を去ったのか

「この監獄っていう世界では常識は通用しない
それに生者やインドリームの俺達でも、狂気に侵されないとは限らないだろ?」
「それは・・そうですけど・・」
「きっとユリエフの体調が悪いのも、そのせいなんだ
だったら俺も何かしら影響を受けてる可能性がある
そうなると、あのミレイアさんの話を全て信用してそのまま動いてしまえば、判断力が鈍ってどんどん狂っていく気がした・・・
だから、とりあえずあの場を離れたんだ」

ヒルトの冷静な洞察力にユリエフは感動し
すぐに言葉を返せなかった

「この蝶も、本当にクライヴの元へ導いているのか、半信半疑だけど
今なら感じる・・クライヴの魔力が近づいてきているのを。」
「た、たしかにそうですね」
「だから、クライヴを見つけたらーーーー
!?」

ヒルトはユリエフの背後から放たれる殺気を感じとり
大剣を取り出し、飛んでくる闇のナイフを弾いた
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