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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士


ミレイアとの出会いはクライヴにとって大きく変えた

明確な正体を明かしはしなかったが
それでもクライヴは気にしなかった

破壊するだけの力が、誰かを守る為に使えるという喜び
守るべき存在がおり、いつも支えてくれる心強さ
二度と味わってしまえば抜け出せない
ぬるま湯のような環境

僅かだが意志を持ったクライヴは更に考えた
己の任務や力の支えとなる存在が必要だと

そしてシャルゼに己に付き従う従者を作ることを提案する
シャルゼは想像以上に容易く許可をだし
三体の従者を作ることを許し
クライヴは闇の騎士を生み出した

一体目はかつて闇族で随一と言われ、天族の軍隊1000に対して
たった一人で立ち向かい、全滅させた伝説をもつ古来の騎士の魂を英霊として召喚

二体目は火族で特殊スパイとして暗躍していた女の魂
その女の行動力と精密に計画された暗殺は人智を超えており
一夜で三ヶ国が滅んだこともある

三体目は魔導国の建国者であり、魔法の始祖と呼ばれた大魔術師
魔導師が使用する魔法、風、火、水、雷、土を超越した更なる自然の魔法を自在に操ることができたーーーーー。

それぞれの英霊の魂はクライヴの血と錬金術によって造られた特殊な器を肉体とし
サルナス、ラルザ、アークと名付けた

召喚された三体の英霊はクライヴと契約を交わし
英霊達はクライヴの生涯を終えるその時まで
闇の騎士として守ると宣言する


闇の騎士達の働きは予想以上のものであり
生前の私情は捨て、クライヴの為だけに忠実に動き
その口から嘘を吐く事など一度もなかった

世界各国を闇で墜していく中
同時に儀式は行われ、その都度心が欠けていくクライヴ

ミレイアと闇の騎士は壊れるクライヴに
必死に抑えながら、完全に闇に堕ちぬよう懸命に看病した



ーーーーー鬼の魂を吸収しながら
己の過去の記憶を見ていくクライヴ
目の前に見えている自分が自分ではない
そう否定したくなる気持ちを抑えながら、それでも己の全てを知り、闇と向き合うために更に魂を吸収していく

魂を吸収すればするほど
クライヴの体に負荷がかかっている状態を
離れた場所から見守るサルナス

「サルナス」
「どうした、ラルザ」
廃墟の崩れた橋の上に降りたち、サルナスを呼ぶラルザ
その表情は不快な気持ちで満たされ
瞳は赤く光っていた

「こちらに、インドリームが向かっている」
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