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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士


「サルナス、何故そこまでお前がする必要がある
この監獄から抜け出すためか?」

クライヴは聞いておきたかった
サルナスがここまでする本当の理由を。

「クライヴ様、それは私から宣言させていただいてもよろしいでしょうか?」
「あぁ、説明してくれ、アーク」

「この儀式をするよう提案したのは私であり、この監獄に落とされてからずっと闇の騎士一同行なってきました」
「闇の騎士一同だと?!」

「ええ、その証拠にーーーー」

アークは髪で隠していた右目を
サルナスは鎧で隠していた右手を
ラルザは服で隠していた胸下をクライヴに見せた

サルナスとラルザの体の一部は黒く変色しており
アークの目は黒く染まりきり、鬼の魂を吸収し続けたことでの汚染反応がでていることがすぐにわかった

「隠そうとお前ば隠せますが、
魔力を使用した能力を使うと、反射的に出てきましてね」

「ーーーー。」

「ですが、こうなることでも
全ては貴方様がいつか監獄という世界のシステムを
変える時に必要な魔力源とての貯蓄にすぎません。
その為なら、我々は鬼に汚染されながら戦い続けましょう」

アークが求めていたこと
それはかつてのクライヴの目的を実行するためだった

監獄という狂った世界を変える
それがクライヴのかつての夢だった
記憶を失くした今となって、そんな夢が儚く散っていたとしても
それでも主人の夢を叶える為に、アークはサルナス、ラルザに導入の儀式を行うよう提案したのだった

「クライヴ様、アークの提案に、私やサルナスは無理矢理付き合っている事はありません。
どうか、誤解なさらないでください」

ラルザの言葉とアークの想いに、クライヴは考えた

暗黒戦争から10年経っただけでもかなりの期間が経ち、そして無様にも自分たちが仕えていた主人は闇堕ちとして
記憶を失くし、監獄に落とされる程、失望してもおかしくはない状態だった

それでも闇の騎士達はかつての夢でも叶えようと
必死に戦っていた――――

この想いを、かつての自分の夢を
記憶がないからという理由で絶やしてはいけないと感じた


「お前達の忠義・・感謝する」

「!
何をおっしゃいますか」

「記憶を失くし、きっと今の俺はお前たちが知っている俺とは違うし、力も弱いだろう
それでも、お前達の期待に応えたい」
「クライヴ様・・」

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