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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士



巨大な魔力と殺気は間違いなく目の前の鬼から放たれ
それはクライヴにむけられている

「・・そうだ、俺がクライヴ・ベネディクトだ」

クライヴの返答に、鬼は大きな口を頬の半分程まで
さけるようにニヤリと笑い、満足そうに話し出した

「ガハハハッ!
それはそれは、素晴らしい
まさかあの闇の王子様が、闇堕ちとなって監獄に来られるとは!」

「・・・
お前は鬼か」

「如何にも。
ワシは鬼神様に造られし、第2の赤鬼のワーグ。
そしてーーーー」

鬼は自らの名を伝えた瞬間
魔力を増幅させ、張り上げられた筋肉がついた右腕をあげ、クライヴの元へ振り下ろした
「貴様を亡ぼす者だっ!」


振り下ろされる瞬間
クライヴは闇の力で防ごうとするが
左手首から痛みがはしる
「・・!」
痛みが走った箇所に目を向けると
そこにはクライヴの闇を喰いながら
左手首に張り付いている
赤い蝶がいた

ゾッと寒気を感じたクライヴは
すぐに鬼の方へ注意を向けなおす

その瞬間、サルナスの大楯が鬼の攻撃を防いだ
「ほぉ!
やりよるな、闇の騎士、サルナス!
だが」
「次はない」
「!」

戦いながら笑い、楽しむワーグ
だが、その背後からは黒い鋼の糸と双剣を逆手に持ったラルザが
宙を舞いながら一気に首元へ襲いかかり
ワーグの動脈に斬撃をくりだした

切られた首元からは
赤い血を吹き出しながら、それでもワーグは立っている
だが微かに緩む腕力を感じたサルナスは
大楯を垂直に張り上げ
隙をみせたワーグの脚の腱を剣で切り、後方へ倒す

「アーク、今だ!」

サルナスの合図と共に
クライヴの遥か後方からアークの声が響いた

大杖からは青白い魔術文字
唱える右手からは氷の塊を出現させた

「凍りつくしなさい
フロスト・スパイク」

アークの左手から出現した氷は瞬時に尖った刃へ変形し
勢いよく赤鬼、ワーグの頭部へ目掛けて発せられた

氷は頭部へ命中し、巨大な首が宙を舞いながら転がり落ちた


切断された首元にはアークの氷が張り付いているため
血を吐き出すことなく、鈍く重い音を立てながら倒れていく

鬼が確実に生き絶えたことを確認した闇の騎士達は
武器を収め、一息ついた

「この肢体に赤い蝶が寄って来る前に、処理をするぞ」
サルナスは右手の鎧を外し、素手で赤鬼の心臓部へ無理矢理腕を入れ込み
まだ、脈打つ心臓を取り出した
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