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IN DREAM2

第8章 監獄と闇の騎士


冷静沈着な話し方をする男
だが、その中からは再会を喜び、隠しきれない感情がこみあがっている

両目は赤く、耳の先をすこし尖らせていた
その見た目は闇族特有である


「お前・・闇族なのか」

クライヴの問いに、男はその場で膝まずき
頭を下げて答えた

「はい。
・・ですが、我々の事をお忘れなのでしょうか」
「?」

記憶を無くしたクライヴにとって、目の前の男が何者か
全くわからなかった
そして、闇族である事は外見で明白ではあり
周囲から数名、こちらの様子を伺っている何者かの気配を感じる
それが逆に警戒する要因となってしまう

「すまないな
俺は過去の記憶がないんだ」
「!?」
「だから・・お前が何者で俺とどんな関係だったのか、わからない。
・・あと、敵ではないならコソコソと隠れず
姿を現したらどうだ」

クライヴは睨みつけるような目線を
気配を感じる廃墟の柱の裏側と
物陰へ向けて話した

「素晴らしい、私の魔術とラルザの暗殺術を見切るとは
サルナス、記憶を失っていたとしても本物のクライヴ様ですよ」

自信に満ちた言い方をしながら、鎧を着た男をサルナスと呼び、姿を現したのは
紺色の短髪を右横にながすようにわけ、
白い肌に目立つほと綺麗な赤い瞳
耳は人間と同じく丸みをおびているが
話す口から見える犬歯は尖っていた
魔術師特有のローブを見に纏った漆黒の衣装
胸元のポケットには小さく、闇族の紋章が描かれていた

「アーク、本物と思うなら部をわきまえなさい」

逆の方向からは赤い長髪をなびかせ
口元を薄暗いベールで隠している女性は叱るように
話しながら姿を現した

両手両足には軽装備の黒い鎧を身につけ、そこにも闇族の紋章が印字されている
紫色の布で作られた服は
胸と局部以外露出させたものだった
胸は女性として申し訳ないほど張りが良く
腹部についた腹筋は見事なものだった


クライヴはかけられていたマントの紋章が
全員についていることから
3人は自分の過去に関わっていた共通の人物であり
話し方から、立場上、クライヴが上だったことは理解できた

「クライヴ様、我々の失態をお許し下さい
そして、このような形にはなりますが
再びお会いできたことを、闇の騎士一同
心から喜びを申し上げます」

膝まずきながら話すサルナスの右隣に魔術師、左隣には
赤髪の女性が同じ姿勢になり、頭を下げていた
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