第7章 闇の神
「では、クライヴ君のような既に闇に堕ちた者はどうなるのですか?」
ヒルトが聞きたかった内容を
ユリエフは代弁し、話した
「それは、私たちでも前例がないのでなんとも言えませんわね
ただ、この監獄に行き、クライヴ・ベネディクトを助けると仰ると思い、これを準備してきました」
キャリーは杖から光輝く小さな石のネックレスを取り出した
石からは黒く光る闇の炎
だが、シャルゼから放たれる魔力のように禍々しくなく
どこか自然な闇を感じた
ネックレスを二つあり、キャリーの前で宙に浮いている
「これは天族が作り出した試作品でありますが、闇にまぎれ、汚染から守るためのお守りですわ。
身に着ければ監獄に行ったとしても、インドリームということはバレず、闇の汚染からも守られるでしょう」
「すげぇ・・」
関心するライセイ
だがネックレスが二つだけしかないことに違和感を感じた
「どうして二つなんだ?」
「試作品であるということと、監獄へ繋がるゲートを通る人数に限界があるからですわ
最大3名・・クライヴ・ベネディクトを連れて帰ってくることを前提とさせてもらいましたから、2名分しか容易できないのです。
それをふまえて、誰が行くかこの4名で決めてくださいます?」
宙に舞うネックレスを見つめ、迷わず手をのばしたのは
ヒルトとユリエフだった
二人はお互いを見つめ、何も言わず、首元に装着させた
「すでに決まっていたようですわね」
満足そうに話すキャリー
「いいよな、ライセイ、アラン」
「私たちを信じていただけますか?」
「はっ
あったりまえだろ!
行って来いよ、ヒルト、ユリエフ」
「・・・いってらっしゃい」
明るく笑いながら見送るライセイ
だが、アランは少し暗い表情で一言つぶやくだけだった
「ありがとう」
アランのあからさまな嫌がっている表情に
ヒルトはふれることなく、背をむけた
「では、クライヴ・ベネディクトを救い、こちらの世界に戻るときは、そのネックレスの意志に何かしら魔力を流してください
それを合図に、私たち天族でゲートを開き、道を繋ぎます」
「わかりました」
「ですが、気を付けてください
一度ゲートが開けば10秒以内に通過してくださいね
でなければ、ゲートは強制的に閉じられ、永遠にこちら側へ戻ることはできなくなります」
真剣に話すキャリー