第7章 闇の神
そんなヒルトの横に現れたのは、姿をけしていたキャリーだった
「インドリームを守り、仲間を救ったところは見事でしたわ」
「――――俺は、何も守れてなんかない。」
「・・・」
「クライヴに庇われ、アランやジェイク、イリヤ、ライセイが大変な目にあっているにも関わらず
俺は目の前のことで必死で、すぐに駆け付けることができあかった
そのうえ、クライヴはどこか別の場所へ連れ去られた。」
「・・・たしかに、欠点が多い戦いでしたわ
ですが、今回の事態を引き起こした落ち度は我々天族にもありますわ。
もうすぐ、天族の応援部隊が到着し、傷ついたインドリームの傷を癒してくれるでしょう
そうなったとき、ユリエフ様を含め、改めてクライヴ・ベネディクトを救う方法をお伝えいたしましょう」
「?!
クライヴを救う方法?!」
「ええ。
とても危険なお話なので、大声で叫ぶのはやめてくださいます?」
「あ、わるい・・・」
かすかな希望がみえた気がした
クライヴを・・・友を救うことができる可能性があると知ったヒルトは
目を輝かせ、すぐにでも助けに行きたい気持ちでいっぱいだった
たとえ、行き先が敵の罠だったとしても
それでもヒルトがは黙ってはいれなかった
誰からも理解されないだろう
ヒルトが一人で旅をしている時、幾度となく窮地を救ったのはクライヴだったからだ
今、ヒルトがこうして息をし、仲間といられるのも
シャルゼの攻撃からクライヴが守ってくれたからだった
あの瞬間―――
闇の武器が自らにふりかかるところを
クライヴは躊躇なく身を犠牲にして助けた
その勇敢さに、ヒルトは昔から憧れすらもっていた
自らの危険を顧みることなく、相手を救おうとするその姿勢に―――――。