第2章 風を司る者
洞窟の奥へと進んでいくクライヴ
『闇の瘴気と同時に感じられるこの魔力・・・
一体何者だ・・?』
血と死臭に満ちた空間を歩きながら周囲を警戒する
「キシシシ・・餌がきた」
「ーーー・・下級魔族か」
クライヴが見つめる方には血で全身を真っ赤に染めた
大男の魔族が立って笑っていた
紫色の皮膚に浮き上がる血管と先が尖った耳
赤い髪に、赤い瞳をした魔族
「オレ、お腹すいた。」
「そうだな・・・
俺の質問に答えれば腹一杯にくわしてやってもいいぞ」
「し・・つ、もん?」
「お前が多少なりとも意思疎通ができる時点で中級クラスの魔族に進化しつつある事は間違いないだろう。
だからこそ、一つ聞いておく。」
クライヴは片手で闇の炎を出し、そこから呪印を浮かび上がらせた
呪印は赤く、次第に変形していき、赤い蝶へとかわった
「そ、ソレ!!」
「・・知ってるようだな」
「ソレ、闇族、禁忌!
オレ、キラい!!」
赤い蝶がゆっくり魔族へむかって飛んでいくと
青ざめた表情で逃げ腰になる魔族
「オマエ、何者?!」
「・・質問をしているのは俺だ。
答えろ、この蝶は何だ?」
「し、しらない!
答ええれない!
オレ、ソレ、キラい!!
ひいっ・・!!」
逃げようと後づ去りをする魔族の首もとに
凶々しい黒い大鎌をあてるクライヴ
「ここで死ぬか、答えて逃げ切るかどちらがいい?」
「コノ・・鎌・・あの方と似てる・・?」
「ーーー・・・。」
「お、お、おぉ・・。
あの方に見エル。
お前があの方の」
ザシュ!