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IN DREAM2

第6章 天族


それが今、ぐったりとして身動き一つとらず、倒れている
そして、暗い遺跡の上から日の光が指す
それは天族が遺跡の天井を破壊して
何者かに襲われ、落とされた証拠であった

「なに、どういうことぉ?!」
「くっ・・敵襲か?!」

イリヤとキャリーが見上げる遺跡の中から
更に十体の天族が次々と落とされ、ヒルトの足元で倒れている天族には息があった

「おい、しっかりしろ!」
「が・・はぁ」
「ユリエフ!」
「はい!」

天族の傷を癒そうと、ユリエフは光で天族を包み、力を注ぐ
だが、傷は癒えず、天族の息は小さくなっていく

「どうして・・傷が癒えないのです?!」

「て・・・きは」
「!」
傷だらけの天族は、震えながら口を開き、必死に話した

「術・・・師・・少年の・・姿・・
一人で・・我々は・・・もうし、わけ」

最後まで話すことなく、その場で息を引き取る天族

その傷口からは呪術の札がぶら下げられている針が刺さってる
その針を見たイリヤは疑いように針を抜き取り
その呪術の文字を読み上げた

「イリヤ・マルク、これに心当たりがあるのですか?!」
キャリーは真横で問いかけるが、イリヤは針を見つめ、少し間をあけてから話した

「この針も、呪術も、イリヤは知っているよ
けど、解毒方法はわからない・・
この針に刺さった対象者は、種族関係なく猛毒で殺されちゃうよ
傷も、癒えない。」

「イリヤさん、それでは彼らは・・!」

インドリームの周囲にいた死にかけた天族達を見て、イリヤは不安そうにするユリエフに残酷な言葉を投げかける

「みんな、もうすぐ毒が回って死んじゃう。」
「っ!」

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