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IN DREAM2

第6章 天族


眉間にしわを寄せ、嫌悪な表情で副士官の目を見た瞬間
散らばるようにみえて、複雑な術式を描いている無数の魔術印を見つける
その瞬間、男の声はその場にいた隊員全員の耳に届く声量で叫んだ
「全員、ここからすぐに撤退せよ!!!」
「?!」
「これは自爆式催眠術の」

その男の命令は最後まで伝えられることなく、周囲は光に包まれた
いや、光ではなく、強大な爆発が行われる瞬間の炎が天軍、教会、周囲5キロ全てを包み、巨大な爆発音が天族の領域内に響いた

爆発音は宴をしていた天族全員に響き渡り、皆が爆発音がきこえた場所を見た

そこから発せられる黒い煙と
炎に焼かれて落ちていく天族達
周辺の建物や浮かぶ大陸にも炎が映り、次第に悲鳴が格領域から響き渡った


後にこの事件は第五怪異事件と呼ばれるなった

天族と地上の距離は遠く離れており、天空では大惨事であったが
地上には爆発音など届いておらず、天空から落ちてくる建物の破片や天族の死体は空気の摩擦で燃え尽き、灰となって消えてゆき、何一つ地上には影響がなかった

インドリームとして旅をしているユリエフも
故郷で発生した事態に
まったく気づかず、アランとジェイクが仲間に加わったことを喜びながら、次の目的地へ移動していた

森にかこまれているが整備された街道を歩いている
周囲は雑草や、木で囲まれているが動物はみえない
変哲もない森であり、日が正午をむかえ、穏やかな空気がながれている

だが、気がむいたのか、それとも聖人として嫌な予感がしたのだろうか
聞こえるもはずのない天族の悲鳴を聞き取ったような表情で突然空を見上げるユリエフ

「・・・――――」

「ユリエフ、どうかしたのか?」

突然立ち止まり、一言も話さず空を見上げるユリエフに
先頭に立っていたヒルトは振り向き、心配そうに声をかけた

「いえ、なんでもありません
すみません、さっきなにか話されていましたよね」
「あ、そうそう
石が光をさす場所だけど、こっから数キロ離された所へ俺たちを導いてるように感じるんだ
それに街道から道が反れるから、森の中を歩かなくちゃいけない・・
仲間も全員そろったのに、この石はどこへ俺たちを行かせようとしているんだろうって考えていたんだ」
「そうですね・・キャリーさんが私たちに仲間を探すためにくださった石ですが
インドリームは他にもいる可能性はありませんか?」
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