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IN DREAM2

第6章 天族


「お、お前はあの裏切者たちの仲間かっ!」

副士官は身の危険を感じ取り、急いで立ち上がり
魔女から逃げ出そうとするが、脚が動かなかった

「な」

足元からは魔女の影が副士官を捕え、脚が固定されている
恐怖が足元から脳にまで全身に及んで襲ってくる

「逃げ出さないでよ、おじさん
あなたにはちゃんとここにいてもらわないといけなんだから」

魔女は副士官の目の前に立ち、両目を見合わせ自らの瞳から魔術印を浮き上がらせる
円をかくように魔術印は副士官の両名にはいっていく

「ああぁぁ・・・」

副士官は黄金に輝く両目に魔術印がはいると
絶望に満ちた声をあげ、全身の力がなくなり、その場で倒れかける

「立て」

魔女が命令口調で指令を与えると、副士官の体は倒れる前に止まり、直立した状態で立つ
その姿勢は石のように固く、不自然さがにじみ出ている
魔女は少し不機嫌そうに見るが、すぐに次の指令をだす

「そこに転がっている肉塊の天族の死体の前で待機。
指令があるまで動くな」
「――――」

副士官の体は人形のように命令に忠実に行動し、一言も話すことなく、死体の前で立っている

「催眠術は効くけど、天族だから柔軟性というか・・うまく体が動かないなー
でも、これでよし、と。」

魔女はトレイタスが作り出した次元のゲートと同じものを出現させ、その中に消えていった




直後、闇の魔力に反応し、駆けつけた天軍が
殺された同族の死体が転がり、そこで直立している副士官を発見した

「こ、これはなんということだ!」

白銀の軍服に2本の翼を生やした隊長格の男が顔色を変える

「すぐに第一隊長、および司令官へ事態のことを告げろ!
これは天族としてあってはならぬ事態だ!」
「はっ!」
「お待ちください、隊長!」
「なんだ?!」
「教会に封印されていたあの器が・・なくなっています!
封印が解かれ、持ち出された痕跡が!」
「な?!」
「隊長!
これを!」」
「今度はなんだ・・!」

次々に報告されていく緊急事態に、イラつきを感じる天軍の男

「この副士官、様子がおかしいです
息はありますが、この瞳に描かれている魔術印は・・一体・・」
「魔術印だと?」

催眠術で直立している副士官の前に立ち、様子を観る天軍の男
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