• テキストサイズ

IN DREAM2

第5章 水と火


ユリエフのつつまれるような笑顔と積極的な姿勢に、アランは
救われる気持ちで満たされ
ヒルトとアランを抱き寄せた

「二人とも、本当にありがとう
あたし、ここまで力になってくれた人を見たことなかったから・・嬉しい」

「私も、アランさんのように人間以外の種族にここまで
熱心にフォローされている方を見た事ありませんでした
貴方の出会いは、私の認識を変えてくださりました」
「俺もだよ、アラン
必ず人間だけが救われるべきだとは限らないし
皆んなが救われる為にインドリームの力があるんだ
俺達でこれから一緒に成長していこうぜ」
「・・うん!」


アランとヒルト、ユリエフが街の高台で抱き合っている光景を
ジェイクは遠い場所でクライヴと見ていた

「行かなくていいのか?」

クライヴの質問に、ジェイクは興味なく答えた
「あそこに俺はいらねーだろ」

宿屋の屋上で座り込んだジェイクは
肘をつきながら話している
その傍らで立っているクライヴはヒルト達とジェイクを見合わせた

「そうか」

「・・なぁ、クライヴ
リザードマンの集落に向かう前、お前は俺に言ったよな
全ては己を見極めるーーーそれだけだ、と。
あの意味が、俺にはわからないんだ
どうしてあんな言い方をしたんだ?」
「俺のいう仲間という認識と
お前がいう仲間の認識が異なっている可能性があるからだ。」
「認識?」
「人の思いや価値観、認識はそれぞれ違う
だからこそ、己を見極めるという言い方をした
俺から見て、お前との唯一の共通点はそこしか感じなかったからだ」
「・・・」
「お前が何を抱えているのか、俺は探らない
だが、迷い、何かを恐れているなら頼るのは俺じゃない
あそこで肩を抱きあって合ってる3人だ」

クライヴはジェイクと目を合わさず
冷たい眼差しでヒルト達を見て話していた
ジェイクも同じようにヒルト達を見ていた

「ーーーそうか、なるほどな
俺には少し、クライヴの事がわかったさ」
「・・そうか」
「クライヴの言う通りにするよ
そして、俺は俺の使命を果たす。
ま、長い付き合いになるだろうけどよろしくな」

微笑みながら手を差し出すジェイクに
クライヴは目をつむりながら冷静に答えて手をとった

「あぁ、よろしく」





/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp