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IN DREAM2

第5章 水と火


ついに魔力が完全になくなった肢体は灰となり
跡形もなく消えていった

「あっーーーー。」

先までそこに立っているゼルペウスの場所を見つめ
アランは静かに涙を流す
守れなかった命
それを守るどころか、願いとはいえ命を奪うことしかできなかった己の非力さ
そして常に人間種が優先される世の中の不条理さ
自分だけではどうにもならない状況

多くの感情が込み上げ、更に涙を流すアラン
そんなアランを、ジェイクは黙って胸を貸し泣き止むまで抱き寄せていた


アランとジェイクから少し離れた所で、怪我の治癒を終えたヒルトとユリエフが見守っている
「危機一髪でしたね、ヒルト君」
「そうだな、ユリエフの治癒がなかったら今頃
俺はあんな力技を出して二人を守ることはできなかったけどな」
「ふふっ
ありがとうございます。
でも、これからリザードマンはどうなるのでしょうね
アランさんの思いから、このまま何もせずインドリームとして、旅をするとは思えませんし」
「それなら、一つ俺から案がある。
けど、これはアランとの相談になるから、後で話そうと思う」
「案、ですか?」
「あぁ、またユリエフにも話はするさ
けど今は、落ち着いてからでもいいと思う
アランの状況は・・とてもじゃないけど俺の言葉だけでなんとかなるとは思えないからな」
「そうーーーーですね」




そして数時間後、朝日が昇った頃
ヒルト、ユリエフ、アラン、ジェイクは
リザードマンの集落に戻り、ライセイ、イリヤ、クライヴと合流した
そして生き残ったリザードマン達に今回の経緯を伝えた
魔女が仕組んだ事だったとはいえ、一族が一方的に殺されたことへの怒りの矛先を人間に向ける者もいた
だが、リザードマンは別の場所で人間と離れた地域で静かに暮らすと意見がまとまり、近々大規模な旅に出る事になった
そこでアランはヒルトから先に話されていたある提案を
実行することに決めた

それはリザードマンの旅に必要な物資と金銭を募集するということだ
勿論、依頼人はアランであり、応募者、達成者には多額の報酬金を用意された
メリットとしては、リザードマンが必要とする内容は人間から見れば簡素なものが多く、すぐに準備できる事が多い

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