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IN DREAM2

第5章 水と火


怒涛のような叫び声に、兵士が怯むほどだった
だが、ルキュリアはとどめをさすため、兵士になにかをもってこさせるよう指示した

一人の兵士がその場を離れた瞬間、アラン、ジェイク、ヒルト、ユリエフも合流した

「ゼルペウスさん!」
「?!」

ヒルトとアランは目の前の光景に、身の毛がたった
ここに来る途中でみたリザードマンの死骸よりも
はるかに残酷な光景

生きたまま右足を潰され、子供のリザードマンを串焼きにして
平然と食べている魔女

「な・・にこれ」
顔色をかえるアラン

「こんにちわぁ
インドリームの皆さん」

串焼きを食べながら、軽い口調で話し出すルキュリア


「あたしの名前はルキュリア
ここまで順調に計画が進んでうれしいな~
ってことで、彼には実験に付き合ってもらっているんだよ」

微笑みながら楽しそうに話す魔女は
確実にヒルト達よりも歳は下で、少女だった
だが、伝わる魔力は桁外れであり、今すぐ攻撃をしたくても
無暗に動けなかったほどの重圧感を感じた



「計画ですって?
今回の件、全てあなたが仕組んだことだっていうの?!
じゃあ、そこに立っている人間たちは・・」
「彼らも実験の一つ。
見て見てー!」

近くに立っていた男の兜をとりあげるルキュリア

「!」

その男の顔色は白く、涎を垂らしながら焦点があっていない目をして、立っている
何も話さず、反応しない姿に、ユリエフはすぐに催眠術だと認識した

「町の人たちに催眠術をかけ、操っていたのですね?!」
「あたりー!
さすが天族の聖人さんは勘がいいね」
無邪気に喜ぶその姿は、まるでクイズに正解したときの
子供のはしゃぐものと似ていた

「ふざけないで・・!
なにが操り人形よ!
人の命をなんだと思っているの?!」

ルキュリアに今にも襲い掛かろうとしそうな勢いで言い返すアラン

それを制するように前に立ち、手を伸ばすジェイク

「アラン、怒りにまかせるな
魔女の思うつぼだ」
「っ・・!」

「さすが、傭兵君は分析するのが余裕だね」

傭兵、という言葉にジェイクは固まり、ヒルトのユリエフの視線を感じた
だが「それがなんだ」と答えるジェイクの眼差しは強く
ルキュリアは思い通りの反応ではんく、不機嫌そうに口を膨らませた

「あ、そうだゼルペウス
リザードマンはみんな尻尾に毒があるんだよね」

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