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IN DREAM2

第5章 水と火


両足に全力を注ぎ、勢いよく隠れ道を通り抜け、走っていくゼルペウス

「お、おい?!」
「何よまったく・・!
ジェイク、ヒルト達を呼んで!
あたしは彼を追うわ!」
「アラン、待てって・・!」

ゼルペウスの後を必死に追いかけるアランに
ジェイクの声はまったく耳に入っていなかった
事態が二転三転と急変する状態に
さすがの火族のジェイクもついていけなくなっていた

「どうしたんだ?!」
「大丈夫?ジェイク君」

髪を掴み、イラつきをみせていた時
ライセイとイリヤが駆けつける
そこにアランの姿がないことい違和感を感じるイリヤ

「アランちゃんと、ゼンペルさんは?」

「ゼルペウスが勝手に走り出して、アランがそのまま追いかけたんだ
ヒルト達を呼べっていうけど、あいつらはリザードマンの手当てをしちるし・・・
あーくっそ、どうすればいいんだよ!」

「ハハハ
ジェイク、おまえ意外と短気なんだな」
いきなり笑うライセイに、ジェイクは言葉を失った
なぜ、この事態で笑っているのか、まったく理解できなかったからだ

「ヒルト君達がしていることは、イリヤとライセイが引き追うから、ジェイク君はアランちゃんを追ってあげて
すぐにヒルトとユリエフも向かうと思うから!」

イリヤは背中を押し、無理矢理ジェイクを動かそうとした
10代の小柄な少女とは思えないほどの腕力で押される
抵抗することはないが、それさえ許されないほどの力が背中に伝わってくる

イリヤを見つめつつ、自分が言っていいのか不安を抱えながら
ジェイクはアランの後を追いかけた



「よし、イリヤたちはヒルトにこのことを伝えよう!」
「そうだな、それにしてもジェイクはおもしろいな」

まだ笑いながら話すライセイに
イリヤはため息交じりの答え方で対応する
「あまり仲間を馬鹿にしないほうがいいよ
まだインドリームになって間々ならないんだと思うし
事態が急変しているからね」

「まぁ、そうだな
俺たちの中では一番最後にインドリームになったみたいだしな」
「そうだよ、だから、小馬鹿にする言い方は駄目だからね!」
「はいはい」


イリヤの注意に、軽く返事するライセイ

この時、二人はジェイクがなぜここまでイラつきをみせ、困惑しているのか
その本当の意味を、まだ知らなかった――――――ー




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