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【イケメン戦国】 EXTRA BOX

第1章 YOURNAME【明智光秀】 【R18】


ー……


“政宗を振った女がどんな女なのか観察してみたい”


そんな出来心から桔梗を指名した。
しかしやってきたのは、あいつに外見だけ似ている“プロ”だったとは非常に退屈だな。
この仕事が終わったら適当に抱いて、時間が来たら帰す。そのつもりだった。


しかし、仕事に区切りつけ、ふとPCから目を外して向かいの席を見ると、思ったのとは少し違う桔梗の姿がそこにあった。

辞書を時折見ながらもほぼ休むことなくカリカリとペンを動かしている。

≪好きなことをしていろといったから、スマホでもいじっていると思ったが……≫

こちらは客なのだからいつ声をかけても構わないはずだが、勉強に集中する桔梗を邪魔しようとはなぜか思えなかった。
桔梗のテキストが区切りのいいところまで進むのを待ってから、静かに声をかけた。


「待たせたな……」
「あっ! ……ごめんなさい ……もしかして私、待たせてしまっていましたか?
隙間時間に課題やっちゃおうと思ってたんですが、つい集中しちゃって……」
「ほう……デンマーク語か。珍しい言語を学んでいるのだな。」
「え、わかるんですか?」
「ああ、知り合いにスウェーデン語のできる人間がいる。
だがそのテキストはスウェーデン語のå ä öの文字が見当たらない代わりにæ ø åがあるから、デンマーク語かと推測した。」
「そうなんですか?……私、通訳になりたくて……」


“通訳になりたい”……こういった職業の女は素性をばらさないためか客への演出のためかこのような嘘をつくものだ。

しかし、今の桔梗の“通訳になりたい”という言葉は自然と信じることができた。
もちろん勉強している姿を見たからというのもあるかもしれないが、その短い言葉に桔梗の本心がすべて込められているような気がした。


「そうか……シャワーを浴びてくるから、先にベッドで待っていろ。」

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