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【イケメン戦国】 EXTRA BOX

第4章 ⇒OURNAME(前)【明智光秀】【R18】




「こ……これは……」

「「「いらっしゃいませ泉様、お待ちしておりました。」」」


通されたのは小さな撮影スタジオのような場所で、メイクさんやカメラマンと思しき人が数名私をにこやかに出迎えてくれた。

スペースには色とりどりの袴や装飾品、さらに女優さんが使うような本格的なドレッサーやメイク用品が並んでいる。
驚いて呆然と立ち尽くす私に、三菱さんが微笑みかけながら教えてくれた。


「明智様より泉様のご卒業祝いがしたいということで8月末にご予約を承っていたんですよ。
あとこちらもお預かりしているのでお渡ししますね。」

「ありがとうございます。」


受け取った真っ白な小さいミニレターにはきれいな字でこう書いてあった。


― 梨沙、卒業おめでとう。
これは卒業祝いだ。
俺は会場に先に行っている。
式のあと、中庭で待っているよ。


時間もあまりないからと早速袴を選ぶところから対応していただいたけれど、自分の生活には無頓着な光秀さんとは思えないくらい感動するサービスだった。

当日なのに袴や髪飾り・手提げもたくさん用意してくださっていたから選ぶのに迷ってしまうほどだったし、ドレスで行こうとしていたから用意してなかった和装用のインナーやタイツも用意されていた。
自分が脱いだドレスを持ち運ぶために紙袋を依頼したところ「こちらの箱にいれていただけましたら本日中に明智様のお宅にお届けいたします」とご丁寧に案内していただいたし……


そしてなによりも、遠方からなので卒業式に出席できない家族にも晴れ姿を見せられるようにと写真も撮影してくださった。


「すごくお綺麗ですよ。王子様もきっと、喜んでくれますよ。」

「本当に、ありがとうございます。」


王子様って……でも光秀さんはどんなふうに反応してくれるのかな。
自分でも見違えるくらいきれいに着付けをしていただいたお礼を言ったあと、胸を弾ませながらも光秀さんの反応がどうなのか少し緊張しながら式場に向かった。
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