第3章 PRISONER 【上杉謙信】 【R20】
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情事が終わったあと、ベッドの天蓋越しに窓のほうをみると少し空は白みかけていた。
上半身も下半身も、自分のつけた痕や自分の体液まみれになって意識を飛ばしている梨沙の隣に横たわりながら、梨沙が風邪をひかないようにバスローブを着せて、髪を撫でる。
我ながら連れ子であれど妹を毎日のように犯すなど愚かなことをしている自覚がないわけではない。
ただ、梨沙から“愛している”ときけるのはつながっているときだけだ。
つながっているときはあれほど愛らしく愛していると伝える梨沙だが、普段は打って変わって距離を感じる。
門限も服装の指定も、何一つ梨沙が自分の言いなりになったことなどないのだ。
だから無理にでも閉じ込めておかねば、自分のもとを梨沙が離れる気がしてならないのだ……。
バスローブのポケットに入れていたスマホが光ったついでに今日のカレンダーを確認すると、とある文字が目に入った
≪授業がある、と言っていたが……出席はさせられないな≫
目に入ったのは“排卵日”の3文字。
2ヶ月ほど前から梨沙の生理周期を清掃担当の使用人からヒアリングし、ちょうど月経開始からから14日後をカウントしだした。
梨沙をつなぎとめ続けるためには、俺から逃れらない“理由”を一刻も早く作らねばならない。
梨沙が俺の子を身ごもれば……永久に梨沙を“繋ぎ留めておく”口実に足るからな。
口実だけではない……愛する梨沙との子であれば、梨沙と等しくこの身をかけて愛してやろう。
通知を確認した俺は隣の自室から手錠を2組持ってきて梨沙の手とベッドに左右それぞれ繋いでから眠りについた。