第3章 PRISONER 【上杉謙信】 【R20】
―……
2週間後:青山 19:20
「それでは今回の合同コンパも楽しんでいきましょー★」
「いえーい!」
今日は久々に開かれているサークルの飲み会。
門限は過ぎてるけど……私も出席。
「梨沙、大丈夫なのー?だいたい19:00過ぎると鬼のように着信来るじゃん梨沙のケータイ」
いつも一緒にいる麻衣子やサークルの先輩、後輩も異口同音に同じような心配をする。
「あ、だいじょぶだいじょぶ、電源切ってるもん♪」
嘘……スマホの電源は切ってないし、さっきから鬼のように電話もLINEもきているのはわかってる。
きっと死ぬほど心配して発狂してるんだろうな……GPSだってONにしているからそろそろ使用人がやってくるころだとおもう。
でも……やめてあげない。
そうやって私を追いかけてくれるお兄様を愛してるから。
外が何やら騒がしくなってきた。
“お迎え”がすぐそこまで来ている予感がした。
物理的に囚われ続ける私と
精神的に囚われ続けるお兄様……
本当の「PRISONER」はどっち?
**FIN