第2章 St.Valentine SS 【政宗・光秀・謙信】
光秀編:
混合目線
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光秀さんに名刺を渡されてからちょうど2週間後、北欧展の帰り道で光秀さんは私のことを好きだと言ってくれた。
畏れ多いなと恐縮してしまったけれど、私も光秀さんに恋をしていたから断るなんてできなかった。
恋……っていうのもなんか畏れ多いな……。“お慕いしている”が近いかも。
光秀さんは相変わらず意地悪だけど、すごく優しい。
忙しいはずなのに1日以内には連絡を必ず返してくださるし、デートのときは絶対に私より早く着いて待っていてくださる。
それに……日付が変わる前に家に送り届けてくださる。
つまりあれ以来私たちは“キスより先”をしていない。
そんな交際が始まって初めてのバレンタイン。
いつも栄養剤ばかり飲んでいる光秀さんに好みの味をきいたところ 「味はわからない」らしい。やっぱり変わってるな。
でも、あの必要最低限なものしかないお宅には、必ず“あるもの”が常備されているから、チョコにはそれを使ってみた。
喜んでいただけるかどうかはわからないけど、受け取っていただきたいな……。
そう思っていると「次は新宿」の車内アナウンスが流れた。
―……
平日の夜、いつも通り自分の家で事務作業を進めながら、梨沙が来るのを待つ。
普段は俺のことを気遣っているのか、会いたいなどとは言わない梨沙が珍しく会いたいと言ってきたからだ。
本来“この日”は不倫や浮気の調査が一気に入るいわゆる“稼ぎ時”なのだが……梨沙の希望よりもそれらを優先させることはできないな。
そんなことを考えていると、約束の時間ちょうどにインターホンが鳴った。