第1章 YOURNAME【明智光秀】 【R18】
そして3ヶ月後……ついに“その日”はやってきた。
本当は半年後くらいかな、そう思っていたのに……政秀さんがコンスタントに"添い寝"で指名してくれるので、私の貯金はどんどん貯まり……予定よりもずいぶん早い今日“卒業”することになったのだ。
1,000万円は通訳になるための語学学校に行くための学費と、試験の費用、そして“普通のバイト”をしていては足りない分の生活費として使うつもりだ。これで私も“普通の大学生”になれるんだ。
最後のお客様はたまたまだけど“その人”だった。
いつもどおり挨拶をして、会計(いい加減432,000円なのは覚えた)を済ませた後本題に入る。
「ええと、政秀さんにひとつお伝えしたいことがあって……」
「なんだ……?」
「目標が無事達成できたので、今日で私、BOTANICAL GARDEN TYOを卒業させていただくんです。」
「そうか……おめでとう。」
「本当にありがとうございます。」
≪今日で政秀さんと会えなくなっちゃうんだ……結局本名も知らないままだし……ちょっと寂しいな≫
そんなことを思いながらお辞儀をして政秀さんのほうを見たとき一瞬私は息が詰まった。
政秀さんの目がいつもと少し違ったから。
一歩、また一歩と政秀さんは私に近づくと、最後に耳元でこういった。
「それなら……最後ぐらい抱かれてもらおうか……。シャワーを浴びておいで……。
俺も仕事は10分以内に片付けよう。」