第1章 Happy Birthday
これまた通常運転の、財前から謙也へのツッコミが入ったところで部室のドアが開く音がした。
皆、音につられてドアの方を振り向く。
そこには、今しがた見つけられずがっかりしたはずの顔があった。
癖のある髪、褐色の肌、加えて何と言ってもでかい。それは紛れもなく……
「千歳………!??」
「千歳が………朝練に来よった……………」
「よっしゃあああ!!なあ白石ぃ!千歳が朝に来よったいうことは、これから槍がふる言うことやんな??!千歳ー!槍見せてーなー!」
「………金ちゃんはちょい黙っとき。」
一斉に注目を浴びたチーム最長身の千歳はその巨体に似合わないあどけない表情で目をぱちくりさせている。
「な、なんね。皆…そげんに驚いてからに」
「そりゃあ驚くわ!授業もまともに出んようなやつが朝練来よったんやぞ!!」
「俺だって理由さえあればきちんと足ば向けるたい。……それより謙也。」
「な、なんやねん。」