第1章 Happy Birthday
「ありがとう、千歳……」
こぼれそうなほどの『好き』の気持ちを抱えたまま、 彼を見上げた。
柔らかい優しい笑みを浮かべたままの千歳は、もう一度私の頭を撫でる。
「よし、足の向く先で誕生日祝いになるもん探すたい。ついてこんね。」
「え!本当にサボるの!!」
あなたにとっては普段通りのことでも私にとってはサボるのは初めてのことなんだけど…
なんて考えながらも、少しでも彼と一緒にいたい気持ちから差し出された千歳の手を取った。
今度は自分から、すすんで。
「じゃあのんびり行くとするかね。」
好きな人のぬくもりを右手に感じながら始まった今年の誕生日は、私にとって忘れられないものになる。
これが、私の初めての絶対予告。