The night dream of fairy【気象系BL
第7章 和也の以心伝心
雨はさらに激しくなっていった。
智は依然として見つからず
私達は一度家に帰ってきた。
翔「和也は…一回家に入れ!!
これ以上はお前じゃ無理だ!!命に関わるぞ…
家の中で待ってろ!」
和也「イヤだ!!!」
翔「和也!!」
和也「絶対イヤだ!
私が、智を見つけるまで帰らない!!」
翔「…和也…。」
拳を握りしめて、叫び声のような悲痛な声を上げる私を優しく抱きしめてくれた。
和也「翔兄…胸が苦しいんだ…」
翔「…えっ?」
和也「…胸が、チクチクして痛いんだ。
多分…智が、泣いてる…。」
翔「智が⁇」
和「うん…智の心が泣いてる…。
私達は双子だから、
片割れが泣くと胸までチクチクするの…」
和也は両手を胸の前で組んだ。
(ほら、やっぱり智が泣いてる…)
それは、まるで自分の心ごと 智を抱きしめているかのようにも見えた。
和「智…今辛い気持ちでいっぱいなんだね。
自分の心が、悲しい気持ちでいっぱいになっちゃたから
私にもらって欲しいんだね…。
智…私達はいつも一緒にいないとダメなんだよね。」
翔「…和也」
和也「…だから、早く見つけてあげないといけないの。
見つけて、
抱きしめてあげないと…
このチクチクが、治らないの」
翔兄は私を包み込んでくれた。
翔「…わかった!一緒に探そう…!!」
和也「ありがとう!!」
それから、私達は再び探した。
探して…探した
けど…
智は見つからない…
もしかしたら…
智は…川に…
あの小さな羽根で、
一生懸命羽ばたかせていたが、
まっすぐには飛べず、
橋を半分渡りかけた…
その時…
突然の大水が
智を襲う…
智「イヤ…助けて…かじゅ!!」