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The night dream of fairy【気象系BL

第4章 〜真実…そして〜



潤の唇が離れると
智の指が微かに動く…。

智「うっ…ぅ〜…」

潤は智の声を確認すると

潤「カズ…

智はまだ死んでなんかいない…。

一時的に仮死状態だっただけだ…
ちゃんと生きてるよ。」

和也はその場に腰が抜けたみたいに
へたり込んだ。

和也「……さとし…
よかった…。」



翔「…よかった…誰も死ななくて…」

もし、あの時和也が 自分のオーラを 智に与え続けてしまったら、和也も 無事ではいられなかっただろう。
最悪…死んでしまっていたかもしれない。

怒りにかまけて、大切な事を見落としていた事に 後から気づいた翔は安堵した。
そして、潤を見た。

翔「…潤…お前それに気付いていたのか?」

智を抱き抱えたまま 空の上にいる潤は、和也の事など気にしている様子は無かった。

翔「まさか…そんな事ない…かぁ…」

翔は和也を見て…呟いた…。

潤「兄さん…」

さっきまでの冷酷は潤とは別人のように
優しい口調だった。

潤「兄さん…覚えてる?

あの日も…
満月だったんだよ…」

翔「満月…?
あっ…そう言う事か…。」

潤の言葉に全て察しがついたのか…
翔はさっきまでの怒りが消え、絶望の色が見え始める。

そして…潤と同じように
月を見上げた。

和也「…満月が何⁇

満月と智と
何の関係があるんですか⁇

なんで…それが…

悪魔なんですか⁇」

翔は和也の所まで来ると

翔「門が開いていると言う事は…

妖精界で泣いていた智の声は、風にのって 門を通り…
人間界に鳴り響いてしまった…
そうだろ…潤!」

潤「そうだよ!
青の妖精の声は
妖精の時を止めてしまった。」

和也「止めた…って」

潤「そう…妖精を金縛りのように、止めてしまったんだ…。

潤は智の顔を覗き込み、
悲痛な表情をしていた事に 2人は気づかずにいたのだ。
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