The night dream of fairy【気象系BL
第13章 妖精の夜の夢 ~すべての未来~
私が智の横から片時も離れずにいた。
潤が私の所に来た。
「カズ・・
俺は結局、
何も変える事ができなかった・・・。」
「潤・・・」
「智を守ることすら出来なかった…」
そう言った潤は俯き、今にも泣きそうな顔に
なっていた。
こいつだって十分苦しんでいるんだ
って思った。
私は、潤の頭を撫でてやった。
「カズ……。
俺なぁ……
今の智の姿は……
一番見たくない未来だった。
今まで何をしていたんだろう・・
俺がやっていたことは
すべてが無意味だったんだ。
「潤……」
「カズ、本当にごめん・・・
俺はお前との約束を何一つ、守ることが
できなかった……」
潤は大粒の涙を流しながら
心の叫びをぶつけてきた・・・
私は潤を優しく抱きしめてあげて
「未来はそんな簡単には
変えられません・・
でも、智はちゃんと
生きて私の所に帰ってきてくれた・・・
まだ、眠り姫かも知れませんが
そのうち起きますよ!!
だって、物語のお姫様は必ず最後に
目を覚ましますから・・」
「それって……」
「ええ、私達は双子だから
解るんです・・・」
私は潤と見つめあうと
力強い声で伝えた。
「 潤、いいですか?
智の心ね、色々ありすぎて
疲れてしまっただけなんです。
だから、今は休息が必要なんです。
たっぷり休んだら、
また昔みたいに元気な智になって
みんなの前に現れてくれる・・・
私達は、その瞬間まで信じて待ちましょう!!!」
潤は 顔を上げて目を輝かせた。
「ああ、カズの言う通りだなぁ・・
智のあの可愛い姿を見ることを
夢見て、俺まってるよ!!!」
「そうですね」
「お前たちはやっぱりすごいなぁ~
やっぱり二人で一人の妖精なんだなぁ~」
「はい!!」