The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
「ああ、潤は智を守ることに関しては
一番の適任だったからなぁ
まさか、あんなに激しい夜……」
「わぁ~~~~~」
潤は光一の口を手で塞ぐ。
そして耳元で
「光一、ダメ!!それ以上言ったら…
俺かカズに殺される」
光一は和也の顔を見て
潤に「すまない…」と呟いた。
「なに? 智がどうしたのさぁ~」
光一は咳払いをすると
「だから智は潤と一緒に居ることで
自分の力の強さを知って欲しかった。
同じ過ちを繰り返さない為にも
ちゃんと罪と向き合い、
自分の力と共に、
これからどう生きるのかを
考えて欲しかった‥」
翔は光一にむかって頭を下げた
「光一ありがとう。
智の事をそこまで考えていて
くれたなんて…
でも、出来れば…
もう少し優しいやり方で
やって欲しかったけどね」
今度は光一が頭を下げると
二人ともニコッと笑った。
「ホントにすまなかった。
こいつが、事件の事を知ってしまい
どんどん智に近づいてしまったから
時間がなくて、手荒な真似をして、
ホントにすまなかった。」
「やっぱり、俺の為じゃん…」
「そうだね!
みんな雅紀と智の為に考えて動いていた。
なぁ…
もう、いいじゃん!
自分を許してやれよ」
雅紀の横に来た和也は肩をポンとたたく
そして、その逆側に潤が来て同じように
肩に手を置く
「そうだよ!
こんなにもお前を愛してくれているんだよ!
俺の所に来た時も、
光一は常にお前の横で
寄り添っていたじゃないか・・
忘れたのか?
頼む幸せになってくれ…
慧の為にも…
自分の為にも‥」
「みんな…
ホントにごめんなさい。」
雅紀と光一は三人に向かって頭をさげた。
二人は顔を上げると
光一は手をパンと鳴らす。
智のシールドはパチンっと消えた。
「光一さんありがとう。
智を守ってくれて・・・」
「翔、和、潤・・・
本当にすまなかった。」
二人はもう一度頭を下げると
光一は雅紀の肩を抱き部屋から出で行った。
「兄さん….
あの二人はもう大丈夫だよなぁ」
「ああ、
これからはお互い支えあいながら
きっと生きていくと信じたいなぁ~」
「そうですね。」
三人は二人の後ろ姿をみて微笑んだ。