The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
翔はうつむいている雅紀に近づき
「そうだよ
お前のそばには、
いつも光一さんがいたじゃないか…」
その顔を覗き込んだ。
「本当は、気が付いていたんだろ?」
雅紀は顔を上げて翔を見た
「…うん…
光一を好きになってすぐに
この人も俺のことを
思ってくれているんじゃないかって
気づいた…」
「…雅紀?」
「ごめんね…光一
俺ずるいから…
その気持ちもまでも利用したんだ…
きっと…
解ってくれるだろうって…」
「……」
光一は雅紀の顔をジッと
見つめるていた
「だから、俺はあなたに
愛してもらう資格んてないんだ…。」
雅紀の目から再び涙が流れ始める。
「もし、光一が闇の妖精ままだったら…
俺も一緒に闇に落ちて…グスッ
これからもずっと一緒に
居ようと思っていた…
だけど…グスッ
君はもう光の妖精になんだ
生まれかわれたんだ…グスッ」
雅紀は目に涙をいっぱいためながら
作り笑いをして
「もう、俺のことなんか忘れて
これからは、自分のために…
幸せに‥
なってね…」
言い終わると雅紀は俯いてしまう。
そんな姿に、光一は優しく抱きしめた。
「雅紀……
そんな悲しい事言わないでくれ…
お前を手放すぐらいなら
俺はまた、
闇の妖精に戻らないと
いけなくなってしまう。」
雅紀は涙でぐちゃぐちゃな顔を
「ダメ!!
それだけはダメ!!」
横に振る
「雅紀・・
ひとついいか?
俺はお前に頼まれたから、
智を闇に引き込んだんじゃないんだ。」
「えっ?」
「智の力は、強力である事は事実だ。
使い方を間違えたら・・
妖精界だけじゃなく、
この世界全てが
混乱の渦に巻き込まれてしまう。
だから、そんな危険な力を
野放しにして置くことは
出来なかった。
もし、智が他の組織や
人間に騙されて引き込まれ
悪用される事だけは避けたかった。」
光一は智のベットまで近づき
シールド内でスヤスヤ眠る智を見る
「俺が、怪我を負わせてしまった
子供の為にも…………。
強い力を持った智は
ちゃんと自分の力を
理解しないといけないんだ…」
潤は光一の方を向く
「だから、俺と一緒に居させて
智を常に監視させていたってことか…」