The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
光一は立ち上がり
ベットに寝ている智の方を見た。
「でも、あの事件が
すべてを変えてしまった・・
大好きだった笑顔がなくなり・・
目から光が消え、
まるで感情がない人形のように
ボーっとしている日が多くなっていた。
俺はどうしても雅紀を救いたかった・・
だから、事件の事を調べる為に
闇の妖精と仲良くなった。
でも、光の妖精が
闇の世界をうろつくには
俺の色は、目立ちすぎたんた…」
「だから貴方は、
自分自身に力を使い
黒の妖精になったんですね。」
光一は翔の方を見た
「潤に 対の力の事を
話したのも貴方ですね。
本当は対の力なんて
はじめからなかったのに…」
「えっ翔兄…
それほんとですか?」
「ああ、全部光一さんの
作り話しだよ。
そうですよね…」
「えっでも、兄さんは
智の対の力を使えるんじゃ・・・」
今まで腕を組んで
壁に寄りかさりながら
黙って聞いていた潤が、
翔の方へ歩みよってきた。
「違うんだ、潤…
赤の妖精が、
自分自身に力を使うと
今までにない不思議な力が
出せたり
奇跡が起こる・・・
一時的に不思議な力を生み出す事も
稀にある…って
父さんの日記に書いてあった。」
「赤の妖精にそんな秘密が
あったなんて…
私は知りませんでしたよ・・」
「光一は、知っていて
自分に力を使ったの?」
雅紀の問いかけに光一はうなずく
「最初は知らなかった…
でも、仲良くなった
闇の妖精が教えてくれた。
赤の力を自分に使うと、
望みが叶うって…
思い描いた姿や力が授かるって…
だから俺は、
すべて自分の思い通りになるように…
黒の妖精になった。」