The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
「俺はすべてが嫌になり、
死のうと思って
ボーっ海を見ていた」
「どうしたの⁇
なんで泣きそうな顔してるの⁇」
雅紀の方から声を掛けてくれた…
「お腹空いたの⁇
僕飴あるよ!!」
まだ子供だった雅紀が
俺に向かって飴玉を二つ取り出した。
「一緒に食べよ。」
でもその飴は、
ポケットに大切に入れていたから
溶けてベトベトになっていた。
「あ~溶けちゃってるね…
食べられるかなぁ~」
一生懸命に包み紙を開けていたが
上手に取り出せず
手がベトベトになってしまった。
「うぇ~ベトベトだぁ!!!」
雅紀は、汚れた手を服で拭こうとしていた
「あっダメだ!」
光一は咄嗟に止めたが
「えっ?…」
雅紀はびっくりした拍子にふらつき
光一の服と自分のを同時に掴んでしまった。
「あっ…ごめんなさい…」
二人の服までベトベトになってしまった。
雅紀は泣きそうな顔で何度も
「ごめんなさい・・」って
まるで、犬っころみたいに
落ち込んでいた姿が本当に可愛かった。
「…可愛い…」
光一は小さい声でつぶやいた。
「その時、俺は一瞬にして好きになった。
でも、まだ小さかったから
俺は、雅紀の笑顔を遠くからずっと見守ることにした。
それ以来、こいつの存在が生きる糧になった。