• テキストサイズ

The night dream of fairy【気象系BL

第12章 無償の愛



「俺はすべてが嫌になり、

死のうと思って

ボーっ海を見ていた」



「どうしたの⁇

なんで泣きそうな顔してるの⁇」


雅紀の方から声を掛けてくれた…


「お腹空いたの⁇

僕飴あるよ!!」


まだ子供だった雅紀が

俺に向かって飴玉を二つ取り出した。

「一緒に食べよ。」


でもその飴は、

ポケットに大切に入れていたから

溶けてベトベトになっていた。

「あ~溶けちゃってるね…

食べられるかなぁ~」


一生懸命に包み紙を開けていたが

上手に取り出せず

手がベトベトになってしまった。


「うぇ~ベトベトだぁ!!!」

雅紀は、汚れた手を服で拭こうとしていた

「あっダメだ!」

光一は咄嗟に止めたが

「えっ?…」

雅紀はびっくりした拍子にふらつき

光一の服と自分のを同時に掴んでしまった。


「あっ…ごめんなさい…」



二人の服までベトベトになってしまった。


雅紀は泣きそうな顔で何度も

「ごめんなさい・・」って

まるで、犬っころみたいに

落ち込んでいた姿が本当に可愛かった。


「…可愛い…」

光一は小さい声でつぶやいた。

「その時、俺は一瞬にして好きになった。



でも、まだ小さかったから

俺は、雅紀の笑顔を遠くからずっと見守ることにした。



それ以来、こいつの存在が生きる糧になった。










/ 203ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp