The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
「えっ?どういう事?
光一が
俺達と同じ光の妖精?」
雅紀の問い掛けに翔は頷くと
「ああ…
しかも、俺と同じ
赤の妖精じゃないんですか?」
雅紀は光一の姿をジッと見つめた
「でも…
俺が初めて出会ったときは
黒い羽根だったけど‥」
光一は雅紀の頭を軽く叩くと
立ち上がった
「その通りだよ…
翔、良く解ったなぁ…」
「えっ?何で?
黒い羽根になったの?
まさか…
俺の為?」
光一は雅紀を見て首を横に振った。
「雅紀、それは違うよ…
俺が、黒の妖精になったのは
自分の意志だよ。
お前とは関係ない…」
「ホントに?」
「ああ…、
実は昔からお前を知っていた」
「えっ?」
光一は雅紀を愛おしそうに見つめ
昔を思い出していた。
「雅紀と最初に出会ったとき
お前は小さな子供だった…
それに俺もまだ、
大人になったばかりの光の妖精だった。
まだ未熟だった俺は、
人間界で知り合った闇の妖精に騙されて
自分の力を悪用されて、
人間の子供に怪我を負わせてしまった。
あの時は本当に絶望した…
俺は、光の妖精の力は
人を幸せにできると思い込んでいたから
自分の力は、
勇気と希望を与えられると信じていたから…
でも、違った。
力は、使い方次第では
不幸にしてしまうことを知った…
それゆえ、すべての妖精は
自分の力をしっかり理解しないと
いけないって思った。
そうは思ったものの、
まだ若かったから
自分の未熟さが嫌になっていた。
俺は、妖精界に帰ってきていた。