The night dream of fairy【気象系BL
第12章 無償の愛
雅紀は光一を見つめた。
「でも、光一は俺の目を見ただけで
ちゃんと望みを叶えてくれた・・」
「それは違う!!!
お前の事を心から愛していたから…
だから、あの時闇の力を使って
疑似爆発を起こし
雅紀を死んだ事にしようとした…
光一さんは
もう、こんなバカげた復讐劇を
終わらせようと思ったんじゃないですか?」
「えっ?翔ちゃんどういう事?
光一は、最初から俺を殺すために
爆発を起こしたんじゃないの?」
「雅紀、違うんだ…
爆発は、俺達の視線を引きつけて
置くためにのものだった。
その隙に、自分の違う力を使って
お前を安全な場所に
移動する予定だった。
でも、予定外の事が起きてしまった…」
「侑李ですね」
「そうだ!
侑李は疑似爆発の為の
闇の光の中に飛び込んでしまった…」
和也は、侑李達の事を思い悲しそうな表情をした。
「侑李は、
雅紀を守りたい一心だったんですね。」
翔は和也の肩に手を置くと
「ああ…
爆発は、最初から雅紀を避けて
起こる予定だったのに…
それなのに、侑李はお前を庇い
まともに爆風に巻き込まれて
大けがをしてしまった。
そうですよね、光一さん・・・」
翔が光一を見ると
悲しそうな顔をしながら頷いた。
「ああ、その通りだ…。」
雅紀はその場に泣き崩れた。
「そんなぁ‥
俺の為に…
みんなバカだよ…
俺なんて…
みんなに守ってもらう
価値なんてないのに…」
光一は俺の近くまで来ると
優しく抱きしめてくれた。
「雅紀、そんなこと言うな…
お前の存在は、
俺達にとって、
掛け替えのないものなんだ…」
翔は光一の傍まで行くと
「光一さん……
やっぱり雅紀を愛しているんですね…」
「‥光一?」
雅紀は光一の顔を覗き込む
「お前の笑顔は、
みんなを幸せにするんだ…」
光一は涙を流している雅紀の頬に手を添えると
「…光一…ごめんね…」
「雅紀‥
お前には笑っていて欲しいんだよ…」
雅紀は泣きながら作り笑いをした。
「…ありがとう…」
光一は再び雅紀を抱きしめた。
そうな二人を見ていた翔は
「それに、貴方は本当は光の妖精ですよね…」