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The night dream of fairy【気象系BL

第12章 無償の愛




「…結局…
自分の寂しさを紛らわせるために

今回の復讐劇を考えたって
事ですよね。」


今まで黙って聞いていた和也が呟いた。


「…うん、そうだね。

やっぱり寂しかったんだよね・・・」

雅紀は遠い目をしていた。


「俺達に近づいたのも
復讐を成功させる為?」


翔の言葉に静かに頷く

「ごめんね…

智には、どうしてもあの事件を
知ってもらいたかった…。」



「だからって…

子供だった智を、無理やり
大人の妖精にする必要があったんですか?」


「…自分の本当の力を
知って欲しかったんだ…

仕方がなかったんだ…」

翔は雅紀に近づき

「全て計画通りに進めるために…」


「うん・・

光一に手伝ってもらって

復讐の為に、
智を闇の世界に引き込んだ。


そして、自分が悪魔の子だと

その力が人を不幸にすると…

深く心に刻み込んだ!!!」


「雅紀…」

潤は拳を震わせていた。


「俺は…

こいつの手の上で
踊らされたということか…


俺は、記憶を操作して

智にカズや兄さんを傷つけさせた…

バカだよなぁ…。

自分が情けないよ…」


潤は悔しそうにうつむき涙を流す。


その姿を見ていた和也は
悲しそうな顔をしていた。


「そして…

雅紀は最後の仕上げとして

再び智に近づき、親しくなって

自らの命と引き換えに、

あいつ目の前で死ぬ事で

人を失う悲しみを味わせたんですね。」


「そうだよ…

カズちゃん。


俺があの時、爆発に巻き込まれる直前に

智の耳元で・・・なんて呟いたか解る?」



「え?」

和也はあの時の事を思い出していた。


「俺はね…

耳元で…


「お前のせいで、弟は死んだ!

そして、俺もお前のせいで、死ぬ」


ってつぶやいたんだ。」


和也は目を見開いた。

「だから・・

あの時・・

智は、呆然となったんですね。」


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